病気事典[家庭の医学]

だんせいせいしょくきのおもなびょうき

男性生殖器の主な病気

男性生殖器の主な病気について解説します。

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解説(概論)

男性生殖器の病気は、泌尿器科で扱います。病気の部位によって特有な症状が現れます。また成人から老年期に多い病気、青少年期に多い病気、幼・小児期に多い病気とそれぞれ特徴があります。

成人から老年期に多い病気は、前立腺の病気です。ほとんどが前立腺肥大症で、尿の出が悪い、夜間頻尿(やかんひんにょう)などの症状が出ます。前立腺肥大症そのものは良性の疾患ですが、注意すべきなのは前立腺がんが混ざることがあることです。前立腺がんは、早期発見・治療が第一なので、前立腺肥大症の人は必ず前立腺がんの検査を受けられるとよいと思います。

青年期で注意すべきなのは、精巣のがんです。精巣のがんは幼年期と青年期に頻発します。精巣のがんは極めてたちが悪いのですが、現在では治療法が進歩し、手遅れでなく適切に治療すればほとんどは完治します。この病気では精巣がはれてきたり、精巣にシコリができますが、痛くないことが特徴です。時々、本人が、あるいは幼・小児の場合は親が触ってみるとよいでしょう。精巣にシコリやはれがありおかしいと思ったら、迷わず、恥ずかしがらずに泌尿器科の専門医の診察を受けてください。似たような病気に陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)、精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)やおたふくかぜなどによる精巣の膨大(ぼうだい)があります。

幼・小児期には、停留(ていりゅう)精巣という精巣が陰嚢内に下降しきっていない病気や、外性器のさまざまな先天異常、身近なところでは包茎(ほうけい)などがあります。これらも適切な診断・治療が行われれば、ほとんどその後の生活と成長に支障はないので、泌尿器科専門医に相談してみてください。

また、不妊症で男性側に原因のある場合(不妊症の約半分)があります。これについては男性だけ治療すればよいものや、女性側のパートナーと一緒に治療の必要なものなどさまざまですが、泌尿器科で不妊症の専門家に相談し、産婦人科の不妊症治療の専門医と密接に連携を取りながら治療を受けるとよいでしょう。

そのほかにも、男性更年期障害などいろいろな病気がありますが、適切な治療で大事に至らないものがほとんどですので、恥ずかしがらずに、また自分だけで悩み迷わずに、しっかりした泌尿器科の専門医に相談してみてください。

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