病気事典[家庭の医学]
しかくしょうがい(りょくないしょう)
視覚障害(緑内障)
視覚障害(緑内障)について解説します。
執筆者:
東京都健康長寿医療センター眼科部長
沼賀二郎
東京都健康長寿医療センター眼科
村田博史
高齢者での特殊事情
視覚障害は、視力障害と視野障害に大別されます。視力障害については「視力が低下した」を参照してください。
視野障害の代表的な病気が緑内障です。一般的には、眼圧が上昇することで視神経に負担がかかり、緑内障になります。
緑内障とは、視神経乳頭部で視神経が障害される病気で、特徴的な視神経陥凹(かんおう)と視神経線維欠損、視神経乳頭の出血とともに、視野障害を起こします。眼圧がかなり高くなれば、吐き気、頭痛、眼痛などの症状が現れますが、早期では一般的に自覚症状に乏しく、進行した場合に視力低下や視野欠損を自覚します。
自覚症状に乏しいため、末期まで放置されてから眼科を受診するケースも目立ちます。
緑内障は、開放隅角(かいほうぐうかく)緑内障、閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障、および眼圧が正常な開放隅角緑内障のひとつである正常眼圧(せいじょうがんあつ)緑内障などに分類されます。高齢者では正常眼圧緑内障の割合が高くなっています。
近年、日本人の5%以上が緑内障で、70歳以上に限れば13%以上が緑内障であることがわかり、非常に一般的な病気であることがわかってきました。高齢者によくみられる白内障(はくないしょう)と自己診断しないように注意してください。
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情報提供元 :
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