病気事典[家庭の医学]
りゅうこうせいじかせんえん(むんぷす、おたふくかぜ)
流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)
流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)について解説します。
執筆者:
高知大学医学部小児思春期医学教授
脇口 宏
症状の現れ方
突然の発熱、両側あるいは片側の耳下腺のはれと痛みで始まります。2~3日以内に対側の腫脹(しゅちょう)がみられ、顎下腺にも広がることがあります。ひとつの唾液腺のはれは3~5日で引くことが多く、7~10日で治ります。
一度下がった熱が再発し、腹痛、頭痛、あるいは精巣(せいそう)のはれを起こした場合には、無菌性髄膜炎(ずいまくえん)、膵炎(すいえん)、精巣炎(せいそうえん)などの合併症が起きた可能性があります。聴覚障害の合併は1万人に1人程度とされていましたが、最近の研究では1000人に1人という報告があります。
検査と診断
症状から、診断は容易です。耳下腺炎(じかせんえん)であるか否かは尿中アミラーゼの測定で診断できますが、ムンプスの診断にはウイルスの検出か抗体検査が必要です。
片側の場合には診断は困難で、ワクチン接種後の発病、化膿性(かのうせい)唾液腺炎、唾液腺の結石(けっせき)、反復性唾液腺炎などとの区別が必要になります。
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情報提供元 :
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