病気事典[家庭の医学]
かんぜんだいけっかんてんいしょう
完全大血管転位症
完全大血管転位症について解説します。
執筆者:
新潟大学医学部小児科学教室助教
長谷川聡
どんな病気か
心臓から出る大動脈と肺動脈が入れ替わって、左心室から肺動脈、右心室から大動脈が出ている状態です(図14)。全身からもどってきた血液がまた全身へ、肺からもどってきた血液がまた肺へと流れてしまうので、心房間か心室間、あるいは動脈管を介して血液が混ざる必要があります。頻度は全先天性心疾患の約8%です。
治療の方法
一般的には、大血管を本来あるべき位置関係(左心室‐大動脈、右心室‐肺動脈)に付け替える手術(ジャテン手術)をします。同時に動静脈血が混ざる経路であった穴を閉鎖します。手術の時期は生後2~3週以内が適当です。
肺動脈の弁が小さいなどで大血管を入れ替える手術ができない場合は、人工血管を使ったり、心房のなかで血液を入れ替えたりして、静脈血を肺へ、動脈血を全身へ導くようにします。
病気に気づいたらどうする
出生後のチアノーゼで大血管転位に気づいたら、すぐに小児循環器医と小児心臓外科医のいる病院で治療を受ける必要があります。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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