子どもの症状チェック
きゅうせいちゅうすいえん
急性虫垂炎
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- 「症状チェック」 は、特徴的な症状に対する一般的な傾向として医学知識の情報を提供するものであり、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医師にご相談のうえ、専門的な診断を受けるようにして下さい。
急性虫垂炎とは
虫垂(盲腸)は小腸と大腸との境目に近い部分にあります。通常は右のわき腹付近で長さは数cmくらいです。虫垂のはたらきはまだはっきりとはよくわかっていませんが、ここに細菌などが感染し炎症を起こすと虫垂炎になります。軽い場合は抗生物質で治りますが、強いはれや破れて(穿孔〈せんこう〉して)炎症がひろがりそうな場合には手術で取り除きます。乳児から高齢者まで、すべての年齢層に発症しますが、特に10歳代に多いようです。
症状・診断
典型的な症状は、軽度の発熱、吐き気、嘔吐(おうと)、食欲不振、腹痛です。腹痛は上腹部(みぞおちのあたり)の痛みから始まり、次第に右下腹部に痛みが移り、そこで痛みが留まります。しかし痛みのない場合もあり、症状のうったえ方に個人差や年齢差があります。
乳幼児の場合は、38度前後の発熱、食欲不振、嘔吐、下痢(げり)などの症状が出て、不機嫌になります。おなかを押さえると、こわばっていたり、いやがったりします。症状の進行が速く、穿孔が起きやすいことがあります。
一般的に幼少児では診断が難しく、しかも重症化しやすいので、用心しなければなりません。子どもが前かがみに歩いているときは、おなかがそうとう痛いはずです。
穿孔が起きると、うみがおなかの中にひろがり腹膜炎を併発しますので一大事です。ただし穿孔した直後はむしろ腹痛は軽くなることがありますので注意してください。
診断は、触診、血液検査、腹部のエコー検査などを用いておこないます。一度の診察でははっきりしないこともあり、慎重に経過をみることもあります。
治療
虫垂の炎症が軽い場合は、抗生物質を服用しながらようすをみます。いったん治っても再発する可能性があります。
炎症が強かったり、穿孔する可能性がある場合は手術で取り除きます。最近は腹腔鏡(ふくくうきょう)を使用するケースも多くなりました。腹腔鏡を用いると、患部をよく観察でき、ほかの病気との区別もより的確に診断できます。また、従来の開腹手術よりも合併症の危険性がなく、回復が早いといわれています。入院期間は術後の回復度、合併症や重症度で変わりますが通常4~8日間です。
監修者
日本小児科学会専門医
医学博士
岡田 郷(おかだ きょう)
1974年生まれ。東京都出身。99年順天堂大学医学部卒業後、同大学病院小児科・思春期科にて研修。免疫、アレルギー、新生児を専門とし、東京都日野市立病院に専門医として勤務後、2010年ごたんの小児科クリニック院長。
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