病気事典[家庭の医学]
じょうみゃくりゅう
静脈瘤
静脈瘤について解説します。
執筆者:
京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学教授
加藤則人
静脈瘤の解説(コラム)
下肢の、とくに膝下3分の1の静脈が太く浮き出ているものを下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)といいます。心臓から送り出されて足まで流れてきた静脈内の血液が、重力にさからって再び心臓にもどるには、静脈の内側にある逆流防止弁が必要です。この弁が壊れると血液が逆流し、下肢に血液がたまって静脈が拡張し、静脈瘤ができます。
静脈瘤は立ち仕事の人に多く、出産が誘因になることもあるため女性に多く、遺伝的要素もあります。年齢とともに頻度は増え、40歳以上の女性の1割に静脈瘤が認められます。
治療の基本は静脈にたまった血液をとることです。弾性ストッキングや弾性包帯で患部の静脈を圧迫するのが第一です。屈伸運動などで下肢の筋肉を動かすとポンプ作用で血液が流れやすくなります。根治療法として硬化療法、結紮(けっさつ)療法、静脈抜去術(ばっきょじゅつ)、レーザー療法などがあり、日帰りで治療できることも多いので、皮膚科や血管外科で相談してください。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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