病気事典[家庭の医学]
すてろいどがいようやく
ステロイド外用薬
ステロイド外用薬について解説します。
執筆者:
京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学教授
加藤則人
ステロイド外用薬の解説(コラム)
ステロイドは副腎(ふくじん)という臓器が分泌するホルモン(副腎皮質ホルモン)で、多くの種類の細胞のはたらきを調節することによって炎症を和らげる作用があります。このホルモンを合成したステロイド外用薬は、患部に塗ることで皮膚炎を起こす細胞のはたらきを弱めて皮膚炎を軽くします。現在、確実にしかもすみやかに皮膚炎を軽くする塗り薬として、ステロイド外用薬が世界中で使われています。
一方で、ステロイドは皮膚炎とは関係のない細胞のはたらきも調節するため、とくに数カ月以上の長期にわたって強力なステロイド外用薬を使った場合、うぶ毛が濃くなる、顔がほてりやすくなる、毛細血管が拡張して見える、皮膚が薄くなるなどの副作用が出る可能性があります。ニキビができやすくなったり、感染を起こしやすくなってとびひやヘルペス、水虫などが悪化することもあります。これらの副作用は塗るのをやめると消えていくものが多く、ステロイドを塗ったところに起こるだけで、全身的な副作用が出る心配はまずありません。
ステロイドの副作用を起こさずに、抗炎症効果というステロイドの長所を最大限に利用して、安全にかつ十分に皮膚炎を軽くするために、医師と相談して皮膚の様子をみながらステロイドを使うことが大切です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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