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注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

在宅で管理する注射薬/多発性硬化症の薬

解説タイトル

オファツムマブ(遺伝子組み換え)

一般名 解説

オファツムマブ(遺伝子組み換え)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 20mg0.4mL 1キット 230,860.00円

製薬会社 解説

ノバルティス

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

多発性硬化症治療薬(ヒト型抗CD20モノクローナル抗体)

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

1回20mgを初回,1週後,2週後,4週後に皮下注射し,以降は4週間隔で皮下注射。医師により適用が妥当と判断された場合は自己注射も可能(基本的注意の(3)参照)。

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

下記患者における再発予防および身体的障害の進行抑制→再発寛解型多発性硬化症,疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症

解説 解説

多発性硬化症(MS)は,外敵から自分を守るはずの免疫機能に異常がおきて,自分の体の一部を外敵とみなして攻撃することで症状が現れる疾患です(自己免疫疾患)。MSの多くは,再発(症状が現れる)と寛解(症状が治まる)を繰り返す再発寛解型多発性硬化症で,そのうちの約半数は,再発がないときにも体の機能の障害が徐々に進行していく二次性進行型多発性硬化症へと移行していきます。
本剤は,これらの多発性硬化症の症状を引き起こす原因の一つであるB細胞を標的としたヒト型抗CD20モノクローナル抗体製剤で,B細胞の表面に存在する抗原(CD20)に特異的に結合し,症状を抑えて疾患の進行を遅らせます。医師により適用が妥当と判断された場合は自己注射も可能です。

使用上の注意

警告 解説

慢性リンパ性白血病の治療のためにオファツムマブ(商品名アーゼラ;販売中止)を点滴静注したB型肝炎ウイルスキャリアの患者において,B型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されています。

基本的注意 解説

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……感染症を合併している人
(3)自己注射……本剤の投与開始にあたっては医療施設において,必ず医師によるか,医師の直接の監督のもとで投与を行います。治療開始後,医師により適用が妥当と判断された人は自己注射も可能です。(1)皮膚が敏感な部位,皮膚に異常のある部位(傷,発赤,硬結など)には注射しないこと。(2)注射部位は腹部,大腿部または上腕部とし,投与ごとに注射部位を変えること。(3)本剤投与後に副作用の発現がみられたら,患者および家族,介護者は速やかに処方医へ連絡します。
(4)B型肝炎ウイルス……本剤の投与によって,B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎が現れるおそれがあるので,本剤投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認します。活動性B型肝炎患者では肝炎の治療を優先します。
(5)ワクチン……(1)生ワクチンおよび弱毒生ワクチンの場合は,ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがあるので,生ワクチン,弱毒生ワクチンは本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種します。(2)不活化ワクチンは,ワクチンの効果が弱まるおそれがあるので,本剤投与開始の少なくとも2週間前までに接種します。(3)妊娠中に本剤を投与した患者からの出生児においては,B細胞数の回復が確認されるまでは,生ワクチンまたは弱毒生ワクチンを投与しないこと。B細胞の枯渇は,生ワクチン,弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがあります。
(6)避妊……妊娠する可能性のある人が使用する場合は,投与中および最終投与後6カ月間は適切な方法で避妊してください。
(7)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)上気道感染(上咽頭炎,上気道感染,インフルエンザ)などの感染症。(2)注射に伴う全身反応(発熱,頭痛,筋肉痛,悪寒,疲労など)。(3)進行性多巣性白質脳症(PML;意識障害,認知機能障害,麻痺症状(片麻痺,四肢麻痺),構音障害,失語など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……注射部位反応(紅斑,疼痛,かゆみ,腫脹)
(2)検査などでわかる副作用……血中IgM減少

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)本剤に切り替える場合,本剤開始時に相加的な免疫抑制作用が生じるおそれがある薬剤……免疫抑制薬または免疫調節薬(フマル酸ジメチル(多発性硬化症治療薬(2)),フィンゴリモド塩酸塩(多発性硬化症治療薬(1)),ナタリズマブなど)

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/04/26