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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

胃腸の薬/その他の胃腸薬

解説タイトル

潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬(4)

一般名 解説

フィルゴチニブマレイン酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 100mg 1錠 2,519.90円
錠剤 / 200mg 1錠 4,893.60円

製薬会社 解説

ギリアド=エーザイ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

潰瘍性大腸炎治療薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

[潰瘍性大腸炎,関節リウマチ]200mgを1日1回服用。状態に応じて100mgを1日1回の服用も可。

識別コード 解説

100mg 本体コード:GSI:100
200mg 本体コード:GSI:200

その他 解説

保険収載年:2020/11

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
[トファシチニブクエン酸塩の適応症]既存治療で効果不十分な関節リウマチ
[ウパダシチニブ水和物の適応症]既存治療で効果不十分な以下の疾患→関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む),関節症性乾癬,強直性脊椎炎,アトピー性皮膚炎
[フィルゴチニブマレイン酸塩の適応症]既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

解説 解説

ここに掲載する3つの製剤は,潰瘍性大腸炎に伴う炎症に重要な役割を果たす細胞内のシグナル伝達経路であるJAK(ヤヌスキナーゼ)Pathwayを阻害する薬剤(ヤヌスキナーゼ阻害薬)で,炎症や細胞の活性化や免疫細胞の増殖を抑制します。過去の治療において,他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤(潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬(1)),ステロイド,免疫抑制薬または生物製剤)による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に使用されます。
また,これらの薬剤は関節リウマチにも有効です。詳細は内服01-04-13のヤヌスキナーゼ阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)の項を参照してください。ウパダシチニブ水和物はさらにアトピー性皮膚炎も適応で,これは内服12-01-27のヤヌスキナーゼ阻害薬(皮膚用)(ヤヌスキナーゼ阻害薬(皮膚用))を参照してください。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の服用により,結核,肺炎,敗血症,ウイルス感染などによる重い感染症の新たな発現もしくは悪化や,悪性腫瘍の発現が報告されています。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらのことを十分に話し合い納得したうえで,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用されるべき薬剤です。また,本剤の服用により重い副作用が発現し,致命的な経過をたどった症例が報告されているので,緊急時の対応が十分可能な医療施設および医師によって処方され,服用後に副作用が発現した場合にはすぐに主治医に連絡しなければなりません。
(2)敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症などの致死的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発症に注意する必要があります。また,結核の既感染者では症状の顕在化および悪化のおそれがあるため,本剤の服用に先立って,胸部X線検査に加え,インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査などを行って,結核感染の有無を確認する必要があります。結核の既往歴のある人・結核の感染が疑われる人は,結核などの感染症について診療経験のある医師との連携のもと,原則として本剤の服用開始前に適切な抗結核薬を服用することが必要です。ツベルクリン反応検査などの検査が陰性の患者において,服用後に活動性結核が認められた例も報告されています。
(3)潰瘍性大腸炎では,本剤の治療を行う前に少なくとも1剤の既存治療薬(5-アミノサリチル酸製剤,ステロイド,免疫抑制薬または生物製剤)の使用を十分勘案し,また,本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が処方しなければなりません。
(4)関節リウマチの人では,本剤による治療を行う前に,少なくとも1剤の抗リウマチ薬などの使用を十分に勘案し,また,本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が処方しなければなりません。

基本的注意 解説

*全剤の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/重度の感染症(敗血症など)/活動性結核/好中球数が1,000/mm3未満(トファシチニブクエン酸塩は500/mm3未満)の人/リンパ球数が500/mm3未満の人/ヘモグロビン値が8g/dL未満の人/重度の肝機能障害/妊婦または妊娠している可能性のある人/[フィルゴチニブマレイン酸塩のみ]末期腎不全
(2)慎重に服用すべき場合……[共通]感染症(重度の感染症を除く)または感染症が疑われる人/結核の既感染者(特に結核の前歴のある人および胸部X線上で結核治癒所見のある人)または結核感染が疑われる人/感染症にかかりやすい状態にある人/好中球・リンパ球・ヘモグロビン値減少のある人/間質性肺炎の前歴/腸管憩室/静脈血栓塞栓症のリスク(喫煙,高血圧,糖尿病,冠動脈疾患の既往など)のある人/高齢者
[トファシチニブクエン酸塩]心血管系事象(心筋梗塞など)のリスク因子のある人/軽度または中等度の肝機能障害/腎機能障害
[ウパダシチニブ水和物]軽度または中等度の肝機能障害/腎機能障害
[フィルゴチニブマレイン酸塩]中等度または重度の腎機能障害
(3)生ワクチン……本剤の服用による感染症発現のリスクを否定できないので,服用直前および服用中は生ワクチンの接種を行ってはいけません。
(4)飲食物……セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は,トファシチニブクエン酸塩およびウパダシチニブ水和物の作用を弱めるおそれがあり,一方,グレープフルーツはこの両剤の作用を強めるおそれがあるので,服用中はこれらの飲食物を摂取しないようにしてください。
(5)悪性腫瘍……本剤の服用によって悪性リンパ腫,固形がんなどの悪性腫瘍の発現が報告されています。悪性腫瘍の発現には注意してください。
(6)避妊……妊娠する可能性のある女性は,本剤の服用中および服用終了後の一定期間は適切な避妊をしてください。
(7)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)帯状疱疹,肺炎(ニューモシスティス肺炎などを含む),敗血症,結核などの重い感染症。(2)消化管穿孔(せんこう)。(3)好中球減少,リンパ球減少,ヘモグロビン減少。(4)肝機能障害,黄疸。(5)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難など)。(6)静脈血栓塞栓症(肺塞栓症,深部静脈血栓症)。
[トファシチニブクエン酸塩のみ](7)心血管系事象(心筋梗塞など)。(8)悪性腫瘍。
[ウパダシチニブ水和物のみ](9)重篤な過敏症(アナフィラキシー,血管浮腫)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[ウパダシチニブ水和物]
(1)すぐに処方医に連絡する副作用……悪心,腹痛(上腹部痛を含む)/せき/上気道感染(急性副鼻腔炎,喉頭炎,ウイルス性喉頭炎,鼻咽頭炎,口腔咽頭痛,咽頭膿瘍,咽頭炎,レンサ球菌性咽頭炎,咽頭扁桃炎,気道感染,ウイルス性気道感染,鼻炎,鼻喉頭炎,副鼻腔炎,扁桃炎,細菌性扁桃炎,ウイルス性咽頭炎,ウイルス性上気道感染を含む),気管支炎(ウイルス性気管支炎,細菌性気管支炎,気管気管支炎を含む),単純ヘルペス(陰部ヘルペス,陰部単純ヘルペス,ヘルペス性皮膚炎,ヘルペス眼感染,鼻ヘルペス,眼部単純ヘルペス,ヘルペスウイルス感染,口腔ヘルペスを含む),インフルエンザ,毛包炎,口腔カンジダ/ざ瘡(のう胞性ざ瘡,ざ瘡様皮膚炎を含む),発疹(紅斑性皮疹,毛孔性皮疹,斑状皮疹,斑状丘疹状皮疹,丘疹性皮疹,そう痒性皮疹,膿疱性皮疹を含む),じん麻疹,皮膚有棘細胞がん,基底細胞がん/頭痛/発熱,疲労/体重増加
(2)検査などでわかる副作用……CK上昇,高コレステロール血症(血中コレステロール増加を含む),高脂血症(脂質異常症,低比重リポタンパク増加を含む),高トリグリセリド血症

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

[トファシチニブクエン酸塩]
(1)併用すると本剤の作用が強まるおそれがある薬剤……マクロライド系抗生物質(マクロライド)(クラリスロマイシン,エリスロマイシンなど),ノルフロキサシン(ニューキノロン剤),アゾール系抗真菌薬(深在性真菌治療薬)(イトラコナゾール,ボリコナゾール,フルコナゾールなど),カルシウム拮抗薬(カルシウム拮抗薬)(ジルチアゼム塩酸塩,ベラパミル塩酸塩),アミオダロン塩酸塩(アミオダロン塩酸塩),シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬),フルボキサミンマレイン酸塩(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),抗HIV薬(エイズ治療薬(2))(リトナビル,アタザナビル硫酸塩)
(2)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤……抗てんかん薬(バルビツール酸誘導体(バルビツール酸誘導体),カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体),フェニトイン(フェニトイン)など),リファンピシン(リファンピシン),リファブチン(リファブチン),モダフィニル(ナルコレプシーに用いる薬
[ウパダシチニブ水和物]
(1)併用すると本剤の作用が強まるおそれがある薬剤……イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),リトナビル(エイズ治療薬(2)),クラリスロマイシン(マクロライド)など
(2)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤……リファンピシン(リファンピシン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェニトイン(フェニトイン)など

海外評価 解説

  • 2点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/04/26