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べたふぇろんひかちゅうよう

ベタフェロン皮下注用

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

在宅で管理する注射薬/多発性硬化症の薬

解説タイトル

インターフェロンベータ-1b(遺伝子組み換え)

一般名 解説

インターフェロンベータ-1b(遺伝子組み換え)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 960万国際単位 1瓶(溶解液付) 7,905.00円

製薬会社 解説

バイエル

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

遺伝子組換え型インターフェロン-β-1b製剤

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

800万国際単位を2日に1回,皮下に自己注射(基本的注意の(3)参照)。

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

多発性硬化症の再発予防および進行抑制

解説 解説

多発性硬化症は,外敵から自分を守るはずの免疫機能に異常がおきて,自分の体の一部を外敵とみなして攻撃することで症状が現れる疾患です(自己免疫疾患)。
多発性硬化症の再発予防における自己注射薬としては,2023年3月現在,インターフェロンベータ-1b(ベタフェロン),インターフェロンベータ-1a(インターフェロンベータ-1a(遺伝子組み換え))(アボネックス),グラチラマー酢酸塩(グラチラマー酢酸塩)(コパキソン),オファツムマブ(オファツムマブ(遺伝子組み換え))(ケシンプタ)の4種類が使用されており,病状や生活スタイル,副作用などにより,いずれかが選択されます。
本剤(ベタフェロン)は2日に1回の皮下注射,アボネックスは週1回の筋肉注射,コパキソンは1日1回の皮下注射,ケシンプタは初回・1週後・2週後・4週後に皮下注射し,以降は4週間隔で皮下注射します。なお,本剤とケシンプタは,多発性硬化症の再発予防だけでなく進行抑制にも使用されます。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の投与により自殺企図,間質性肺炎が現れることがあるので,事前に精神神経症状や呼吸器症状が発現する可能性のあることを十分に説明を受け,不眠,不安,せき,呼吸困難などが現れた場合には直ちに処方医に連絡すること。
(2)注射部位壊死が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに処方医に連絡すること。

基本的注意 解説

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分または他のインターフェロン製剤およびヒトアルブミンに対するアレルギーの前歴/重度のうつ病または自殺念慮の前歴/非代償性肝疾患/自己免疫性肝炎/治療により十分な管理がされていないてんかん/小柴胡湯(小柴胡湯)を服用中/ワクチンなど生物学的製剤に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……精神神経障害またはその前歴(ただし重度のうつ病または自殺念慮の前歴のある患者を除く)/心疾患またはその前歴/骨髄抑制,貧血または血小板減少症/てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの前歴(ただし治療により十分な管理がされていないてんかん患者を除く)/アレルギー素因のある人/高血圧症/糖尿病またはその前歴,家族歴,耐糖能障害のある人/多発性硬化症以外の自己免疫疾患(ただし自己免疫性肝炎を除く)またはその素因のある人/薬物過敏症の前歴/重い腎機能障害/重い肝機能障害(ただし非代償性肝疾患または自己免疫性肝炎を除く)/高齢者
(3)自己注射……本剤は在宅自己皮下注射製剤です。処方医の指導のもと,「自己注射法マニュアル」や「患者用取扱い説明書」などを熟読・理解したのち使用してください。(1)本剤の投与初期,一般にインフルエンザ様症状(発熱,頭痛,倦怠感,関節痛,悪寒,筋肉痛,発汗など)が現れます。また,発熱の程度は個人差が著しいですが,高熱となる場合もあるので十分に注意してください。(2)注射部位反応(注射部位の壊死,紅斑,疼痛,硬結,かゆみ,腫脹,発疹など)が報告されているので,投与ごとに注射部位を上腕,大腿,腹部,臀部など広範に求め,順序よく移動し,同一部位に短期間に繰り返し投与しないようにします。(3)何らかの異常がみられたら,すぐに処方医に連絡してください。
(4)感染症伝播のリスク……本剤は添加物としてヒト血液由来成分を含有しており,原料となった血液を採取する際には感染症関連の検査を実施するとともに,製造工程において加熱処理を行うなど可能な限りの安全対策を講じています。しかし,血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全には排除することができないため,処方医から治療上の必要性を十分に聞き,納得したのち使用してください。
(5)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)抑うつ,自殺企図,躁状態,攻撃的行動。(2)間質性肺炎。(3)注射部位壊死。(4)けいれん,錯乱,離人症,情緒不安定,筋緊張亢進。(5)重度な過敏反応(気管支けいれん,ショック,アナフィラキシー,じん麻疹など)。(6)高度な白血球減少(2,000/mm3未満),血小板減少(50,000/mm3未満),汎血球減少。(7)重い肝障機能害(黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う)。(8)心筋症。(9)甲状腺腫,甲状腺機能異常。(10)敗血症。(11)自己免疫現象によると思われる症状・徴候(自己免疫性肝炎,全身性エリテマトーデス,1型糖尿病の増悪または発症,溶血性貧血など)。(12)ネフローゼ症候群(血清総タンパク減少,血清アルブミン低下を伴う重いタンパク尿)。(13)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP:血小板減少,破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血,精神神経症状,発熱,腎機能障害),溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少,破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血,急性腎障害)。(14)糖尿病(1型・2型)が増悪または発症,昏睡。(15)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群)。(16)急性腎障害。(17)脳出血,消化管出血,球後出血。(18)認知症様症状(特に高齢者),麻痺,心不全,狭心症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……インフルエンザ様症状(発熱,倦怠感,関節痛,悪寒,筋肉痛,発汗など)/肝炎/膀胱炎,尿意切迫/めまい,不眠,傾眠,抑うつ,運動過多,健忘,緊張亢進,言語障害,片頭痛,神経過敏/心悸亢進,末梢血管障害,不整脈,頻脈,出血/体重増加,体重減少/咽頭炎,喉頭炎,呼吸困難,副鼻腔炎/吐きけ,嘔吐,下痢,便秘,膵炎,胃腸障害/発疹,脱毛(症),かゆみ,紅斑/結膜炎,視力異常/骨盤痛,月経異常,不正出血,月経過多/注射部位反応(紅斑,疼痛,硬結,かゆみ,腫脹,発疹など)/頭痛,食欲減退,腰痛,無力症,熱感,腹痛,筋無力症,のう胞,全身浮腫,気分不良,リンパ節症
(2)検査などでわかる副作用……白血球増加(リンパ球増加,好中球増加など)/AST・ALT・γ-GTP・AL-P上昇/タンパク尿/高血圧/高尿酸血症,低血糖,血中コレステロール上昇,トリグリセリド上昇,低カルシウム血症/血清総タンパク減少,血清アルブミン低下

併用してはいけない薬 解説

小柴胡湯(小柴胡湯)→間質性肺炎が現れるおそれがあります。

注意して併用すべき薬

(1)本剤との併用で作用が強まるおそれがある薬剤……抗てんかん薬(フェニトイン(フェニトイン)など),ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム
(2)本剤との併用で血中濃度が高まるおそれがある薬剤……テオフィリン(テオフィリン
(3)併用すると本剤の投与量増加に伴い血漿中の消失が遅延することが報告されている薬剤……アンチピリン(ピリン系薬剤

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/04/26