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ふるだらじょうちゅうよう

フルダラ静注用

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/代謝拮抗薬

解説タイトル

フルダラビンリン酸エステル

一般名 解説

フルダラビンリン酸エステル
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 50mg 1瓶 29,566.00円

製薬会社 解説

サノフィ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

核酸代謝拮抗薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

貧血または血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病/再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫・マントル細胞リンパ腫・急性骨髄性白血病/次の疾患における同種造血幹細胞移植の前治療→急性骨髄性白血病,骨髄異形成症候群,慢性骨髄性白血病,慢性リンパ性白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫/腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置

解説 解説

1969年にアメリカで合成された代謝拮抗型の抗がん薬です。その後改良され,わが国では2000年に発売されています。慢性リンパ性白血病に高い効果があり,2007年には内服薬(フルダラビンリン酸エステル)も承認されました。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,造血器悪性腫瘍の治療に十分な経験を持つ医師のもとで,適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。
(2)骨髄機能抑制による感染症・出血傾向などの重い副作用,リンパ球の減少による重い免疫不全の発現または悪化の可能性があるので,頻回に検査(血液,肝機能・腎機能など)を受ける必要があります。
(3)致命的な自己免疫性溶血性貧血が報告されています。
(4)放射線非照射血の輸血により,移植片対宿主病(GVHD)が現れることがあるので,本剤による治療中・治療後の人で輸血が必要な場合は,照射処理された血液を輸血することは必要です。
(5)本剤とペントスタチンとの併用によって,致命的な肺毒性が報告されているので併用してはいけません。

基本的注意 解説

(1)使用してはいけない場合……重い腎機能障害(クレアチニンクリアランス〈24時間蓄尿により測定〉が30mL/分未満)/ペントスタチンの使用中/本剤による溶血性貧血の前歴/本剤の成分に対するアレルギーの前歴/重症感染症の合併/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に使用すべき場合……腎機能低下(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分)/感染症の合併/肝機能障害/高齢者
(3)二次発がん……本剤での治療中・治療後に,皮膚がんの発生・悪化・再燃が,また,本剤と他の抗がん薬の併用で急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS),エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性疾患が発生したとの報告があります。
(4)感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(5)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(6)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(7)その他……
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳を避けること。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)骨髄機能抑制(好中球減少,ヘモグロビン減少,汎血球減少,赤血球減少など)。(2)間質性肺炎(呼吸困難,せき,発熱など)。(3)精神神経障害(錯乱,昏睡,興奮,けいれん発作,失明,末梢神経障害など)。(4)側腹部痛,血尿などを初期症状とする腫瘍崩壊症候群。(5)敗血症,肺炎などの重症日和見(ひよりみ)感染,B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪,劇症肝炎。(6)致命的な自己免疫性溶血性貧血。(7)出血性膀胱炎。(8)発熱,口腔粘膜の発疹,口内炎などを伴う皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)。(9)心不全。(10)脳出血,肺出血,消化管出血。(11)自己免疫性血小板減少症。(12)赤芽球癆(せきがきゅうろう)。(13)進行性多巣性白質脳症(意識障害,認知障害,片麻痺,四肢麻痺,言語障害など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……せき,喘鳴(ぜんめい),呼吸障害,呼吸困難,上気道炎,鼻咽頭炎,咽頭炎,アレルギー性鼻炎/悪心,嘔吐,便秘,口唇疱疹,食欲不振,下痢,口内炎,胃部不快感,腹痛,消化不良/脱力感,下肢知覚異常,手指感覚異常,視力障害,視神経炎,視神経障害,下垂手,頭痛,不眠,めまい,感覚減退(しびれ),錯感覚/不整脈,脈拍数増加,むくみ,動悸/黄疸/皮膚のかゆみ,発疹,表皮剥離(はくり)/発熱,疲労,疼痛,水痘,体重減少,悪寒,倦怠感,腰痛,筋肉痛,神経痛,味覚異常,多汗,潮紅,無力症,インフルエンザ様症状,末梢性浮腫,四肢痛,粘膜障害
(2)検査などでわかる副作用……低酸素(症),LDH・AST・ALT・AL-P・γ-GTP・総ビリルビン上昇/血清総タンパク減少,血清アルブミン低下,ウロビリン尿/BUN上昇,タンパク尿,クレアチニン上昇,高尿酸血症,高リン酸血症,低カルシウム血症,高カリウム血症,低ナトリウム血症/尿中結晶/CRP上昇

併用してはいけない薬 解説

ペントスタチン(コホリン)→致命的な肺毒性がおこることがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると骨髄機能抑制などの副作用が強まるおそれがある薬剤……シタラビン(シタラビン),他の抗がん薬

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2024/04/26