病気事典[家庭の医学]
けっかんかくちょうせいにくげしゅ
血管拡張性肉芽腫
血管拡張性肉芽腫について解説します。
執筆者:
群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学准教授
田村敦志
症状の現れ方
性差はなく男女ともに発症しますが、小児や若年者に多くみられます。好発部位は手、なかでも手指と、顔面、とくに口唇です。
鮮紅色の小さなしこりとして現れ、数週で急速に増大したあと増殖は止まります。皮膚からくびれをもって隆起することが多いのですが、なだらかに隆起する場合もあります。軟らかいしこりで表面から出血しやすく、かさぶたがついたり、湿っていることも少なくありません。大きさは通常1~2㎝以内です(図86)。
治療の方法
手術が最も確実な治療法です。しかし、臨床診断が確実な場合には、液体窒素(ちっそ)による凍結療法を試みるのもよい方法です。この場合、数回の治療が必要になることが多いのですが、麻酔の必要はありません。
そのほか、電気メスを用いて焼き落とす方法もあります。この場合には手術と同様に麻酔が必要です。
病気に気づいたらどうする
皮膚科専門医を受診して、まずこの病気で間違いないかどうか診断してもらうことが大切です。本症であれば自然に治ることはほとんどないので、前述のいずれかの治療が必要です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。