病気事典[家庭の医学]

とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

特発性血小板減少性紫斑病<皮膚の病気>

特発性血小板減少性紫斑病<皮膚の病気>について解説します。

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どんな病気か

明らかな基礎疾患や原因薬剤の関与もなく発症し、血小板数が減るため、さまざまな出血症状を引き起こす病気のことをいいます。慢性型と急性型とがあり、急性型は小児に多く、急激に発症します。一方、慢性型は20~40歳の女性に多く、徐々に発症します。

原因は何か

血小板に対する自己抗体ができ、脾臓(ひぞう)で血小板が破壊されるために、数が減ってしまうと推定されています。

症状の現れ方

出血症状は紫斑(点状出血および斑状出血)が主で、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多などもみられます。関節内出血は認められません。出血症状を自覚していなくても血小板数の減少を指摘され、受診することもあります。

検査と診断

以下の検査所見から診断します。

(1)血小板減少10万/mm3以下

(2)骨髄(こつずい)では骨髄巨核球(きょかくきゅう)の数は正常ないし増加

(3)血小板結合性免疫グロブリンG(PAIgG)の増加

治療の方法

治療はまず副腎皮質ステロイド薬が使われ、血小板数や症状をみながら、徐々に減量していくのが一般的です。効果がない時には脾臓の摘出手術が行われます。それでも効果が不十分な場合は、免疫抑制薬などが使われます。

小児に多くみられる急性型の大部分は自然に治ります。慢性型ではステロイド薬で治るのは20%で、脾臓を摘出した人の60~70%に改善がみられます。しかし、まれに頭蓋内出血で死亡することもあるため、激しい頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が出たら、すぐに医師に連絡することが大切です。

病気に気づいたらどうする

治療は個人で差があるので、必ず現在の自分の状況を小児科医もしくは内科医に説明して、適切な指示を受けてください。

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