病気事典[家庭の医学]
しひしんりょう
私費診療
私費診療について解説します。
執筆者:
東京医科歯科大学名誉教授
黒﨑紀正
私費診療の解説(コラム)
歯科治療で保険が適用されない私費診療は、以下の3つに大別されます。
(1)予防
健康保険は病気やけがに対する給付であるため、予防はカバーされません。したがって、歯科健診(健康診断)やむし歯を予防するためのフッ化物の塗布は、人間ドックや予防接種などと同様に私費になります。
(2)審美的(美容的)な行為
歯の漂白(ホワイトニング)や歯科矯正(しかきょうせい)が該当します。美容整形が私費であるのと同様です。ただし、歯科治療にはもともと審美的な要素が含まれているため、保険診療でもそういった面は考慮されています。なお、歯科矯正でも手術を必要とする顎変形症(がくへんけいしょう)などは、機能的な障害が大きいので、保険給付されます。
(3)高額な歯科治療
金合金など高価な材料を使ったり、高度な治療技術を用いて冠やブリッジ、義歯(ぎし)を入れる場合、治療費が高額になります。私費治療の例としては、メタルボンド冠、貴金属冠、金属床義歯、アタッチメント義歯、インプラントなどがあげられます。
私費診療では、治療内容と費用について担当医から十分な説明を受け、納得してから治療を始めることが大切です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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