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りつきさんてんてきじょうちゅう

リツキサン点滴静注

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/分子標的治療薬

解説タイトル

CD20陽性がん治療薬

一般名 解説

リツキシマブ(遺伝子組み換え)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 100mg10mL 1瓶 21,609.00円
注射用剤 / 500mg50mL 1瓶 105,563.00円

製薬会社 解説

全薬=中外

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

ヒト化抗CD20モノクローナル抗体

規制 解説

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[リツキシマブの適応症]CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫/免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患/多発血管炎性肉芽腫症,顕微鏡的多発血管炎/慢性特発性血小板減少性紫斑病/後天性血栓性血小板減少性紫斑病/インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組み換え)注射液およびイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組み換え)注射液投与の前投与/〔リツキサン点滴静注のみ〕CD20陽性の慢性リンパ性白血病/難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)/全身性強皮症/難治性の尋常性天疱瘡および落葉状天疱瘡/視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防/以下のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制→腎移植,肝移植
[オビヌツズマブの適応症]CD20陽性の濾胞性リンパ腫/CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

解説 解説

モノクローナル抗体とは分子標的治療薬の一つで,特定の抗原とだけ結合して効果を発揮するタンパク質です。この項の薬剤はCD20と呼ばれる抗原(タンパク質)が標的で,リツキシマブはB細胞性非ホジキンリンパ腫細胞や慢性リンパ性白血病細胞など,オビヌツズマブは濾胞性リンパ腫細胞や慢性リンパ性白血病細胞の表面に発現するCD20抗原に特異的に結合して抗腫瘍効果を示します。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の使用に際しては,緊急時に十分に措置できる医療施設で,造血器腫瘍,自己免疫疾患,ネフローゼ症候群,慢性特発性血小板減少性紫斑病,後天性血栓性血小板減少性紫斑病,全身性強皮症,天疱瘡および視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療,並びに腎移植あるいは肝移植に関して十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
(2)本剤の投与開始後30分~2時間より現れるInfusion reactionのうちアナフィラキシー,肺機能障害,心機能障害などの重い副作用による死亡例が報告されています。
(3)腫瘍量の急激な減少に伴う腫瘍崩壊症候群がおこり,本症候群に起因した急性腎障害による死亡例および透析が必要となった患者が報告されています。
(4)B型肝炎ウイルスキャリアの患者で,本剤の治療期間中または治療終了後に,劇症肝炎,肝炎の悪化,肝不全による死亡例が報告されています。
(5)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)などの皮膚粘膜症状が発生し,死亡例が報告されています。
(6)間質性肺炎を合併する全身性強皮症患者で,本剤の投与後に間質性肺炎の増悪により死亡に至った例が報告されています。

基本的注意 解説

*リツキシマブ(リツキサン点滴静注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……[効能共通]本剤の成分またはマウスタンパク質由来製品に対する重いアレルギーまたはアナフィラキシー反応の前歴/[全身性強皮症]重度の間質性肺炎
(2)慎重に使用すべき場合……[効能共通]心機能障害またはその前歴/肺浸潤・肺機能障害またはその前歴/肝炎ウイルスの感染またはその前歴/感染症(敗血症,肺炎,ウイルス感染など)の合併/重い骨髄機能低下,腫瘍細胞の骨髄浸潤/薬物過敏症の前歴/アレルギー素因のある人/高齢者/[B細胞性非ホジキンリンパ腫,慢性リンパ性白血病,免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患,イブリツモマブ チウキセタンの前投与]咽頭扁桃,口蓋扁桃部位に病巣のある人/[全身性強皮症]軽度・中等度の間質性肺炎の合併/全身性強皮症に伴う肺高血圧症,腎クリーゼなどの重い合併症のある人
(3)伝達性海綿状脳症(プリオン病)……本剤はウシの血清由来成分を含む生産培地を用いて製造し,ウシ成分を製造工程に使用しているため,伝達性海綿脳症の潜在的伝播の危険性があります。現在のところ,伝達性海綿脳症が人に移ったという報告はありません。
(4)検査……本剤を使用中は適宜,心機能検査(心エコーなど)を,特に上記の「慎重使用」の人は頻回に検査を受ける必要があります。
(5)Infusion reaction……注射や点滴を行った後,24時間以内に多く現れる症状などをInfusion reaction(注入反応,点滴反応)といいます。本剤では,発熱,悪寒,悪心,頭痛,疼痛,かゆみ,発疹,せき,虚脱感,血管浮腫などのInfusion reactionが約90%の人に現れています。そのため,Infusion reactionを軽減させるために,本剤投与の30分前に抗ヒスタミン薬,解熱鎮痛薬などの前投与を行います。また,副腎皮質ホルモン薬と併用しない場合は,本剤の投与に際して副腎皮質ホルモン薬の前投与を考慮します。
(6)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)Infusion reaction(注入反応:点滴や注射を行った後,24時間以内に多く現れる症状)→発熱,悪寒,悪心,頭痛,疼痛,かゆみ,発疹,せき,虚脱感,血管浮腫,その他,アナフィラキシー・肺機能障害・心機能障害の重い副作用(低血圧,血管浮腫,低酸素血症,気管支けいれん,肺炎(間質性肺炎,アレルギー性肺炎などを含む),閉塞性細気管支炎,肺浸潤,急性呼吸促迫症候群,心筋梗塞,心室細動,心原性ショックなど)。(2)腫瘍崩壊症候群。(3)肝機能障害,黄疸,B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎または肝炎の増悪。(4)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),天疱瘡(てんぽうそう)様症状,苔癬状皮膚炎,小水疱性皮膚炎。(5)汎血球減少,白血球減少,無顆粒球症,好中球減少,血小板減少。(6)細菌,真菌,ウイルスによる重い感染症(敗血症,肺炎など)。(7)進行性多巣性白質脳症(PML:意識障害,認知障害,片麻痺,四肢麻痺,言語障害など)。(8)間質性肺炎(発熱,呼吸困難,せきなど)。(9)心室性・心房性の不整脈,狭心症,心筋梗塞。(10)透析を必要とする腎機能障害。(11)消化管穿孔(せんこう)・閉塞。(12)一過性の血圧下降。(13)可逆性後白質脳症症候群(けいれん発作,頭痛,精神症状,視覚障害,高血圧など),脳神経障害(失明,難聴などの視聴覚障害,感覚障害,顔面神経麻痺など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……咽喉頭炎,鼻炎,口腔咽頭不快感,せき,呼吸障害,喘鳴(ぜんめい),鼻出血/頻脈,潮紅,動悸,血管拡張,末梢性虚血,徐脈/悪心・嘔吐,腹痛,口内炎,食欲不振,下痢,口内乾燥,便秘,しぶり腹/アレルギー症状(発熱,悪寒,発疹,かゆみ,ほてり,関節痛,じん麻疹,血清病,筋肉痛,インフルエンザ様症候群)/疼痛,倦怠感,虚脱感,頭痛,多汗,浮腫,胸痛,体重増加,無力症/異常感覚,しびれ感,めまい,不眠症/結膜炎,帯状疱疹,筋れん縮,皮脂欠乏性湿疹,投与部位反応(疼痛,腫脹など),しゃっくり
(2)検査などでわかる副作用……血圧上昇/貧血,フィブリン分解産物(FDP,Dダイマー)増加,血小板増加,好酸球増多/電解質異常,BUN上昇,クレアチニン上昇/ALT・AST・AL-P・総ビリルビン上昇/CRP上昇,LDH上昇,総蛋白減少,尿酸値上昇,アルブミン減少

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)本剤との併用で作用が弱まるおそれがある薬剤……不活化ワクチン
(2)併用すると一過性の血圧下降が現れることがある薬剤……降圧薬
(3)併用に気をつけるべき薬剤……(1)生ワクチンまたは弱毒生ワクチン→本剤のBリンパ球傷害作用により,接種した生ワクチンの原病が発病するおそれがあります。(2)免疫抑制作用のある薬剤(免疫抑制薬,副腎皮質ホルモン薬など)→過度の免疫抑制作用により感染症(細菌,ウイルスなど)を誘発するおそれがあります。

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27