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ふれかいにどさくさんえん

フレカイニド酢酸塩

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

心臓病と不整脈の薬/不整脈の薬

解説タイトル

フレカイニド酢酸塩

一般名 解説

フレカイニド酢酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 50mg 1錠 18.40円
錠剤 / 100mg 1錠 32.00円

製薬会社 解説

寿

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

不整脈治療薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

成人の場合,1日100mg(細粒剤は1g)を2回に分けて服用。効果が不十分な場合は,1日200mgまで増量できる。小児は処方医の指示通りに服用。

識別コード 解説

50mg 本体コード:KO 76
100mg 本体コード:KO 77

その他 解説

保険収載年:1991/8

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

頻脈性不整脈(心室性,発作性心房細動・粗動,小児での発作性上室性)で他の抗不整脈薬が使用できないか,または無効の場合

解説 解説

抗不整脈薬は,作用の違いからクラスⅠ~Ⅳの4群に分類され,そのうちクラスⅠはさらにⅠa,Ⅰb,Ⅰcに分けられています(ヴォーン・ウィリアムズ分類)。
クラスⅠの薬剤は,細胞膜にあるナトリウムの出入り口(チャネル)に作用して不整脈を改善する薬(ナトリウムチャネル阻害薬)です。
本剤はクラスⅠc群に属する抗不整脈薬です。消化管からの吸収が良く,半減期も長いので,1日2回の服用で安定した抗不整脈作用が得られます。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

*フレカイニド酢酸塩(タンボコール)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……うっ血性心不全/高度の房室ブロック・洞房ブロック/心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮または非持続型心室頻拍/リトナビル(エイズ治療薬(2)),ミラベグロン(過活動膀胱治療薬(2))の服用中/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に服用すべき場合……基礎心疾患(心筋梗塞,弁膜症,心筋症など)のある人/刺激伝導障害(房室ブロック,洞房ブロック,脚ブロックなど)のある人(高度の房室ブロック,高度の洞房ブロックのある人を除く)/著しい洞性徐脈/うっ血性心不全/血清カリウム低下/恒久的ペースメーカー使用中あるいは一時的ペーシング中/他の抗不整脈薬の服用中/重い腎機能障害/肝機能障害
(3)外国での報告……心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮または非持続型心室頻拍を対象とした突然死の予防に関する臨床試験で,本剤服用群はプラセボ(偽薬)服用群に比べて死亡率が高かったとの報告があります。
(4)定期検査……服用中は,定期的に心電図,脈拍,血圧,心胸比の検査を受ける必要があります。特に,基礎心疾患(心筋梗塞,弁膜症,心筋症など)があって心不全をおこすおそれのある人,腎機能障害のある人,他の抗不整脈薬の併用者,高齢者などは頻回に心電図の検査を受けることが必要です。
(5)心臓ペースメーカー使用中……本剤は心臓ペーシングの閾値(いきち)を上昇させる可能性があります。ペースメーカー使用中の人は,適当な間隔でペーシング閾値を測定する必要があります。異常を感じたら,ただちに処方医へ連絡してください。
(6)小児など……小児などに本剤を使用する場合,小児などの不整脈治療に熟練した医師が監督することが必要です。特に乳幼児に使用する場合には十分に注意すること。母乳および乳製品の摂取により本剤の吸収が抑制され,有効性が低下するおそれがあります。また,母乳・乳製品の摂取中止時には,本剤の血中濃度の上昇に十分な注意が必要です。
(7)その他……
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)心室頻拍(トルサード・ドゥ・ポアントを含む),心室細動,心房粗動,高度房室ブロック,一過性心停止,洞停止(または洞ブロック),心不全の悪化,アダムス・ストークス発作。(2)肝機能障害,黄疸。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(かゆみ,発疹)
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……胸部不快感,動悸,徐脈,心房細動,むくみ,胸痛,呼吸困難
(3)次回,受診した際に処方医に伝える副作用……めまい,ふらつき,頭痛,頭重,ふるえ,眠け,手足のしびれ感,耳鳴り/悪心,嘔吐,腹痛,腹部膨満感,口渇,食欲不振,下痢,便秘,消化不良,口内炎/複視,羞明(まぶしい),視力異常,霧視/倦怠感,舌のしびれ感,苦味感・味覚異常,顔面潮紅,発汗,頻尿などの排尿障害
(4)検査などでわかる副作用……PQ・QRS・QTの延長(心電図),血圧上昇・低下/AST・ALT・γ-GTP・AL-P・LDH・総ビリルビン上昇/BUN・クレアチニン上昇/白血球増多,ヘモグロビン・ヘマトクリット増加

併用してはいけない薬 解説

(1)リトナビル(エイズ治療薬(2))→不整脈,血液障害,けいれんなどの重い副作用をおこすおそれがあります。(2)ミラベグロン(過活動膀胱治療薬(2))→QT延長,心室性不整脈などが現れるおそれがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の作用が強まることがある薬剤……パロキセチン塩酸塩水和物(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物),シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬),アミオダロン塩酸塩(アミオダロン塩酸塩
(2)併用すると本剤の作用が弱まることがある薬剤……フェニトイン(フェニトイン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体),カルバマゼピン(カルバマゼピン
(3)本剤との併用で作用が強まることがある薬剤……ジギタリス配糖体(ジギタリス製剤
(4)併用すると心機能低下や房室ブロックが現れることがある薬剤……ベーター遮断薬(プロプラノロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))など),カルシウム拮抗薬(ベラパミル塩酸塩(カルシウム拮抗薬)など)
(5)本剤との併用の実験的不整脈モデルで,抗不整脈活性あるいは毒性症状が強まるとの報告がある薬剤……リドカイン塩酸塩,プロカインアミド塩酸塩(プロカインアミド塩酸塩

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27