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りむぱーざ

リムパーザ

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

がんに使われる内服薬/分子標的治療薬

解説タイトル

PARP阻害薬

一般名 解説

オラパリブ
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 100mg 1錠 3,492.60円
錠剤 / 150mg 1錠 5,185.10円

製薬会社 解説

アストラ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

抗悪性腫瘍薬(ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬)

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

100mg 本体コード:OP 100
150mg 本体コード:OP 150

その他 解説

保険収載年:2018/4

リムパーザ錠150mg

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[オラパリブの適応症]白金系抗悪性腫瘍薬感受性の再発卵巣がんにおける維持療法/BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法/相同組換え修復欠損を有する卵巣がんにおけるベバシズマブ(遺伝子組み換え)を含む初回化学療法後の維持療法/がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん/BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法/BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん/BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵がんにおける白金系抗悪性腫瘍薬を含む化学療法後の維持療法
[ニラパリブトシル酸塩水和物の適応症]卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法/白金系抗悪性腫瘍薬感受性の再発卵巣がんにおける維持療法/白金系抗悪性腫瘍薬感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん

解説 解説

卵巣がんは,初回治療として腫瘍減量手術の実施後に白金製剤(白金錯体抗がん薬) (プラチナ製剤)を含むタキサン系抗悪性腫瘍薬(イチイ由来抗腫瘍薬)による治療を,少なくとも6サイクル行うことが標準療法とされています。しかし,奏効率が高いにもかかわらず,3年以内に約70%の人で再発が認められます。オラパリブおよびニラパリブトシル酸塩水和物は,DNA損傷応答機能を活用した新規作用機序の薬剤(PARP阻害薬)で,プラチナ製剤ベースの化学療法が奏効している卵巣がんの維持療法薬として期待されています。
オラパリブは,手術不能または再発乳がん,再発高リスクの乳がん,去勢抵抗性前立腺がん,治癒切除不能な膵がんにも有効です。手術不能または再発乳がんの場合,アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬(アントラサイクリン系抗生物質)およびタキサン系抗悪性腫瘍薬(イチイ由来抗腫瘍薬)を含む化学療法歴のある人が対象で,検査でBRCA遺伝子変異(乳がん,卵巣がん,前立腺がん,膵がんなどの一部でみられる遺伝子変異)を有することが確認された人に使用されます。

使用上の注意

警告 解説

本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師のもと,本剤が適切と判断される人のみが服用する薬剤です。治療開始に先立ち,患者または家族は医師から有効性および危険性について十分に聞き・たずね,同意してから使用することが大切です。

基本的注意 解説

*両剤の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……[オラパリブ]重度の肝機能障害/腎機能障害/高齢者/[ニラパリブトシル酸塩水和物]高血圧/中等度以上の肝機能障害(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超)
(3)定期的に検査……本剤の服用によって貧血,好中球減少,白血球減少,血小板減少,リンパ球減少などの骨髄抑制が現れることがあるので,服用開始前および服用中は定期的に血液検査を行います。
(4)避妊……妊娠可能な女性は,本剤の服用期間中および治療終了から一定期間は適切な避妊を行ってください。オラパリブの場合は,パートナーが妊娠する可能性がある男性も同様に適切な避妊が必要です。動物実験で胚・胎児死亡,催奇形性などが報告されています。
(5)飲食物……(1)グレープフルーツ含有食品は,本剤の血中濃度を上昇させるおそれがあるので,本剤の服用中は摂取しないでください。(2)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は,本剤の血中濃度を低下させて有効性を弱めるおそれがあるので,本剤の服用中は摂取しないでください。
(6)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:[オラパリブ]治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。[ニラパリブトシル酸塩水和物]服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)骨髄抑制(貧血,好中球減少,白血球減少,血小板減少,リンパ球減少など)。(2)間質性肺疾患。
[ニラパリブトシル酸塩水和物](3)高血圧,高血圧クリーゼ。(4)可逆性後白質脳症症候群(けいれん発作,頭痛,精神状態変化,視覚障害,皮質盲など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[オラパリブ]
(1)おこることがある副作用……発疹,過敏症,皮膚炎,結節性紅斑,血管性浮腫/頭痛,浮動性めまい/せき,呼吸困難/悪心,嘔吐,下痢,食欲減退,消化不良,味覚異常,腹痛,便秘,口内炎,上腹部痛/疲労,無力症
(2)検査などでわかる副作用……クレアチニン増加,平均赤血球容積(MCV)増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

[オラパリブ]
(1)併用すると本剤の血中濃度が上昇し,副作用の発現頻度・重症度が増加するおそれがある薬剤……強いCYP3A阻害薬(イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),リトナビル(エイズ治療薬(2)),ボリコナゾール(深在性真菌治療薬)など),中程度のCYP3A阻害薬(シプロフロキサシン塩酸塩(ニューキノロン剤),ジルチアゼム塩酸塩(カルシウム拮抗薬),エリスロマイシン(マクロライド),フルコナゾール(深在性真菌治療薬),ベラパミル塩酸塩(カルシウム拮抗薬)など)
(2)併用すると本剤の血中濃度が低下し,有効性が弱まるおそれがある薬剤……CYP3A誘導薬(リファンピシン(リファンピシン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体),フェニトイン(フェニトイン)など)

海外評価 解説

  • 5点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27