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きいとるーだてんてきじょうちゅう

キイトルーダ点滴静注

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/分子標的治療薬

解説タイトル

抗ヒトPD-1(PD-L1)モノクローナル抗体

一般名 解説

ペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 100mg4mL 1瓶 214,498.00円

製薬会社 解説

MSD

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

抗ヒトPD-1モノクローナル抗体および抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[ニボルマブの適応症]悪性黒色腫/切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん/根治切除不能または転移性の腎細胞がん/再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫/再発または遠隔転移を有する頭頸部がん/治癒切除不能な進行・再発の胃がん/切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫/がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん/根治切除不能な進行・再発の食道がん/食道がんにおける術後補助療法/原発不明がん/尿路上皮がんにおける術後補助療法
[ペムブロリズマブの適応症]悪性黒色腫/切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん/再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫/がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん/がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)/根治切除不能または転移性の腎細胞がん/腎細胞がんにおける術後補助療法/再発または遠隔転移を有する頭頸部がん/根治切除不能な進行・再発の食道がん/治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん/PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん/がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がん/がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)/進行または再発の子宮頸がん
[アベルマブの適応症]根治切除不能なメルケル細胞がん/根治切除不能または転移性の腎細胞がん/根治切除不能な尿路上皮がんにおける化学療法後の維持療法
[アテゾリズマブの適応症]切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん/PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法/進展型小細胞肺がん/切除不能な肝細胞がん/PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん
[デュルバルマブの適応症]切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法/切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん/進展型小細胞肺がん/切除不能な肝細胞がん/治癒切除不能な胆道がん
[セミプリマブの適応症]がん化学療法後に増悪した進行または再発の子宮頸がん

解説 解説

ヒトの免疫システムには,がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)という免疫細胞が備わっていますが,一方,がん細胞にもこのT細胞の活性を低下させて攻撃されないようにするシステムがあり,これを「免疫チェックポイント」といいます。すなわち,T細胞ががん細胞を殺そうとPD-1という弾(タンパク質)を撃ってくると,がん細胞はPD-L1という的(タンパク質)を放出して受け止め,弾を無力化してしまうという構造です。このときに,PD-1とPD-L1の結合を阻止し,PD-L1によって抑えられていたT細胞の働きを再活性化することで抗腫瘍効果を発揮させる薬を「免疫チェックポイント阻害薬」といいます。
免疫チェックポイント阻害薬にはいくつかのタイプがありますが,ニボルマブとペムブロリズマブ,セミプリマブはT細胞がつくり出すPD-1に結合することで(抗PD-1抗体),一方,アベルマブとアテゾリズマブ,デュルバルマブはがん細胞がつくり出すPD-L1に結合することで(抗PD-L1抗体),PD-L1とPD-1が結合できなくなり,T細胞は免疫力を落とすことなくがん細胞を攻撃することができます。
アベルマブの適応症にあるメルケル細胞がんは,悪性度の高い極めて稀な皮膚がんで,これまで承認された治療法がありませんでした。本剤は,このがんに対する日本で初めて承認された治療薬です。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤は,緊急時に十分に対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師のもと,本剤が適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,治療に先立ち,医師からその有効性,危険性の十分な説明を受け,患者および家族が納得・同意したのち使用を開始しなければなりません。
(2)間質性肺疾患が現れ,死亡に至った症例も報告されているので,初期症状(息切れ,呼吸困難,せき,疲労など)に十分注意し,異常が認められた場合には直ちに医師に報告しなければなりません。

基本的注意 解説

*ニボルマブ(オプジーボ点滴静注),ペムブロリズマブ(キイトルーダ点滴静注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……自己免疫疾患の合併または慢性的もしくは再発性の自己免疫疾患の前歴/間質性肺疾患またはその前歴/臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある人/結核の感染または前歴/高齢者
(3)Infusion reaction……注射や点滴を行った後,24 時間以内に多く現れる症状などをInfusion reaction(注入反応,点滴反応)といい,アナフィラキシー,発熱,悪寒,そう痒症,発疹,高血圧,低血圧,呼吸困難などが現れることがあります。
(4)甲状腺機能障害など……本剤の使用によって甲状腺機能障害,下垂体機能障害,副腎機能障害が現れることがあるので,本剤の投与開始前および投与期間中は定期的に甲状腺機能検査(TSH,遊離T3,遊離T4などの測定)を行います。
(5)眼障害……ぶどう膜炎などの重篤な眼障害が現れることがあるので,定期的に眼の異常の有無を確認します。眼の異常が認められた場合には,速やかに医療機関を受診してください。
(6)避妊……妊娠する可能性のある人は,本剤の使用中および使用後の一定期間,適切な方法で避妊してください。本剤の使用によって胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)間質性肺疾患(肺臓炎,肺浸潤,肺障害など:せき,呼吸困難,発熱,肺音の異常〔捻髪音〕など)。(2)重症筋無力症,心筋炎,筋炎,横紋筋(おうもんきん)融解症。(3)大腸炎,小腸炎,重度の下痢。(4)1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む;口渇,悪心,嘔吐など)。(5)重い血液障害(免疫性血小板減少性紫斑病,溶血性貧血,赤芽球癆,無顆粒球症など)。(6)肝機能障害,肝炎,硬化性胆管炎,劇症肝炎,肝不全。(7)甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症,甲状腺機能亢進症,甲状腺炎など)。(8)下垂体機能障害(下垂体炎,下垂体機能低下症,副腎皮質刺激ホルモン欠損症など)。(9)神経障害(末梢性ニューロパチー,多発ニューロパチー,自己免疫性ニューロパチー,ギラン・バレー症候群,脱髄など)。(10)腎障害(腎不全,尿細管間質性腎炎,糸球体腎炎など)。(11)副腎障害(副腎機能不全など)。(12)脳炎。(13)重度の皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症〔TEN〕,皮膚粘膜眼症候群〔スティブンス-ジョンソン症候群〕,類天疱瘡,多形紅斑など)。(14)Infusion reaction(アナフィラキシー,発熱,悪寒,そう痒症,発疹,高血圧,低血圧,呼吸困難,過敏症など)。(15)血球貪食症候群。(16)結核。(17)膵炎。(18)ぶどう膜炎。
[ニボルマブのみ](19)静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症,肺塞栓症など)。
[ペムブロリズマブのみ](20)脳炎,髄膜炎。

その他の副作用 解説

[ニボルマブ:単独投与の場合]
(1)おこることがある副作用……リンパ節症/徐脈,心房細動,心室性期外収縮,頻脈,動悸,伝導障害,不整脈,心肥大,心不全,急性心不全,心膜炎/回転性めまい,耳不快感,難聴/下垂体機能低下症,下垂体炎/眼乾燥,硝子体浮遊物,流涙増加,霧視,視力障害,複視,角膜障害,フォークト・小柳・原田症候群/下痢,悪心,腹痛,口内乾燥,口内炎,嘔吐,便秘,消化不良,腹部不快感,腹部膨満,腹水,胃潰瘍,胃炎,十二指腸潰瘍,口の感覚鈍麻,口唇炎,胃食道逆流性疾患,放屁,口腔障害,歯肉出血,嚥下障害,流涎(りゅうぜん)(よだれ)過多,胃腸障害,口腔知覚不全,消化管出血/疲労,無力症,発熱,倦怠感,悪寒,浮腫,粘膜の炎症,口渇,顔面浮腫,注射部位反応,腫脹,胸部不快感,全身健康状態低下,疼痛,胸痛,インフルエンザ様疾患/癰(よう),気管支炎,気道感染,蜂巣炎,爪感染,外耳炎,中耳炎,歯周炎,歯肉炎,鼻咽頭炎,膿疱性皮疹,帯状疱疹,尿路感染,肺感染/食欲減退,糖尿病,脱水/関節痛,筋肉痛,背部痛,四肢痛,筋固縮,筋力低下,側腹部痛,筋骨格硬直,リウマチ性多発筋痛,関節炎,筋骨格痛,関節腫脹,開口障害,筋痙縮(けいしゅく),シェーグレン症候群,頸部痛,腱炎,関節硬直/味覚異常,浮動性めまい,頭痛,錯感覚,不眠症,傾眠,記憶障害,感覚鈍麻,不安,感情障害,リビドー減退,うつ病/頻尿,血尿,膀胱炎/呼吸困難,せき,口腔咽頭痛,肺出血,胸水,しゃっくり,喉頭痛,鼻出血,アレルギー性鼻炎,喘鳴(ぜんめい),鼻漏,鼻閉,喀血,低酸素症,気道の炎症,喉頭浮腫,発声障害/かゆみ,発疹,皮膚乾燥,皮膚病変,紅斑,ざ瘡(にきび)様皮膚炎,湿疹,尋常性白斑,脱毛症,皮膚炎,じん麻疹,中毒性皮疹,乾癬,紫斑,多汗症,寝汗,苔癬(たいせん)様角化症,爪の障害,手足症候群,皮膚色素過剰,毛髪変色,皮膚色素減少,皮膚腫瘤,白斑,酒さ/潮紅,ほてり,血管炎/体重減少,硬膜下血腫,真珠腫,気管出血,乳頭痛,体重増加,組織球性壊死性リンパ節炎
(2)検査などでわかる副作用……貧血,リンパ球減少症,白血球減少症,血小板減少症,好中球減少症,赤血球減少,ヘマトクリット減少,白血球増加症,好中球増加,単球増加,好酸球増加症,ヘモグロビン減少,単球減少,好酸球減少/心電図QT延長/高リパーゼ血症,尿中ブドウ糖陽性,抗甲状腺抗体陽性/リウマチ因子増加,抗核抗体増加,補体因子増加,抗リン脂質抗体陽性,サルコイドーシス,リウマチ因子陽性,インターロイキン濃度増加/高血糖,低ナトリウム血症,高アミラーゼ血症,高尿酸血症,高カリウム血症,低カリウム血症,高カルシウム血症,低カルシウム血症,高ナトリウム血症,低マグネシウム血症,低リン酸血症,低アルブミン血症,高コレステロール血症,高トリグリセリド血症,脂質異常症,血中リン増加,低クロール血症,高マグネシウム血症,代謝性アシドーシス,総タンパク減少/血中クレアチニン増加,タンパク尿,血中尿素増加,尿沈渣異常/サーファクタントプロテイン増加/高血圧,低血圧/細胞マーカー増加,血中CK減少,血中LDH増加,CRP増加,血中CK増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

[ニボルマブ]
(1)本剤との併用で過度の免疫反応がおこるおそれがある薬剤……生ワクチン,弱毒生ワクチン,不活化ワクチン

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27