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わんたきそてーるてんてきじょうちゅう
ワンタキソテール点滴静注
注射薬
※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。
処方目的 解説
[ドセタキセルの適応症]乳がん,非小細胞肺がん,胃がん,頭頸部がん,卵巣がん,食道がん,子宮体がん,前立腺がん
[パクリタキセルの適応症(アブラキサン点滴静注用を除く)]卵巣がん,非小細胞肺がん,乳がん,胃がん,子宮体がん,再発または遠隔転移を有する頭頸部がん・食道がん,血管肉腫,進行または再発の子宮頸がん,再発または難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍)/[アブラキサン点滴静注用の適応症]乳がん,胃がん,非小細胞肺がん,治癒切除不能な膵がん
[カバジタキセルアセトン付加物の適応症]前立腺がん
[パクリタキセルの適応症(アブラキサン点滴静注用を除く)]卵巣がん,非小細胞肺がん,乳がん,胃がん,子宮体がん,再発または遠隔転移を有する頭頸部がん・食道がん,血管肉腫,進行または再発の子宮頸がん,再発または難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍)/[アブラキサン点滴静注用の適応症]乳がん,胃がん,非小細胞肺がん,治癒切除不能な膵がん
[カバジタキセルアセトン付加物の適応症]前立腺がん
解説 解説
1960年代後半にNCI(アメリカがん研究所)が大規模なスクリーニング・プログラムの一環として,太平洋イチイの樹皮の粗抽出物を試験した結果,それからの抽出物質であるパクリタキセルが幅広い抗腫瘍活性を示しました。
しかし,原料の供給の問題や副作用のため,それに代わるものとして西洋イチイの針葉から抽出したドセタキセルが開発され,さらに2014年9月にカバジタキセルが発売されました。前立腺がんに対して,ドセタキセルは遠隔転移を有するまたは去勢抵抗性(ホルモン抵抗性)の患者に使用することになっています。カバジタキセルは,ドセタキセルを使用しても病状が進行した去勢抵抗性前立腺がんの人に使用されます。
しかし,原料の供給の問題や副作用のため,それに代わるものとして西洋イチイの針葉から抽出したドセタキセルが開発され,さらに2014年9月にカバジタキセルが発売されました。前立腺がんに対して,ドセタキセルは遠隔転移を有するまたは去勢抵抗性(ホルモン抵抗性)の患者に使用することになっています。カバジタキセルは,ドセタキセルを使用しても病状が進行した去勢抵抗性前立腺がんの人に使用されます。
使用上の注意
警告 解説
(1)[ドセタキセル]本剤の使用による骨髄機能抑制(主に好中球減少),重症感染症などの重い副作用や,本剤との因果関係が否定できない死亡例が認められています。
(2)[パクリタキセル(アブラキサン点滴静注用を除く)]本剤の骨髄機能抑制に起因したと考えられる死亡例(敗血症,脳出血),また高度のアレルギー反応に起因したと考えられる死亡例が認められています。本剤による重いアレルギー症状の発現を防止するため,使用前には必ず前投薬を受けなければなりません(前投薬を実施した場合でも死亡例が報告されています)。重い過敏症状が発現したら,本剤を再使用してはいけません。
(3)[カバジタキセルアセトン付加物]本剤の使用により好中球減少症,発熱性好中球減少症,貧血などの重篤な骨髄抑制が現れ,その結果,重症感染症などにより死亡に至る例が報告されています。重篤な骨髄抑制がある人,感染症を合併している人,発熱があり感染症が疑われる人,肝機能障害がある人には本剤を使用することができません。
(4)3剤とも使用に際しては,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから治療を受けなければなりません。
(2)[パクリタキセル(アブラキサン点滴静注用を除く)]本剤の骨髄機能抑制に起因したと考えられる死亡例(敗血症,脳出血),また高度のアレルギー反応に起因したと考えられる死亡例が認められています。本剤による重いアレルギー症状の発現を防止するため,使用前には必ず前投薬を受けなければなりません(前投薬を実施した場合でも死亡例が報告されています)。重い過敏症状が発現したら,本剤を再使用してはいけません。
(3)[カバジタキセルアセトン付加物]本剤の使用により好中球減少症,発熱性好中球減少症,貧血などの重篤な骨髄抑制が現れ,その結果,重症感染症などにより死亡に至る例が報告されています。重篤な骨髄抑制がある人,感染症を合併している人,発熱があり感染症が疑われる人,肝機能障害がある人には本剤を使用することができません。
(4)3剤とも使用に際しては,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから治療を受けなければなりません。
基本的注意 解説
*ドセタキセル(タキソテール点滴静注用)の添付文書による
(1)使用してはいけない場合……重い骨髄機能抑制/感染症の合併/発熱があり感染症が疑われる人/本剤の成分またはポリソルベート80含有製剤に対する重いアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/間質性肺炎,肺線維症/肝機能障害/腎機能障害/浮腫(むくみ)のある人
(3)妊娠・避妊……妊娠する可能性のある人は原則として使用してはいけません(妊娠の維持,胎児の発育などに障害を与える可能性があります)。納得したうえで,やむを得ず使用するときは,本剤の使用中および最終使用後2カ月間は適切な方法で避妊してください。使用中に妊娠が確認された場合・疑われた場合はただちに中止します。男性の場合は,本剤使用中および最終使用後1カ月間はバリア法(コンドーム)を用いて避妊してください。
(4)外国での報告……(1)本剤の1回使用量を通常100mg/m2としている欧米では,浮腫(むくみ)の発現率・重篤度が高いとされています。浮腫は下肢からおこり,3kg以上の体重増加を伴う全身性のものになる場合があります。本剤を中止すると徐々に軽快します。(2)肝機能異常のある人が本剤を使用すると,グレード4の好中球減少,発熱を伴う好中球減少,感染症,重い血小板減少,重い口内炎,皮膚剥離を伴う皮膚症状などが認められており,治療関連死の危険性が増加すると警告されています。
(5)感染症……使用によって,感染症の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(6)性腺への影響……生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(7)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(8)二次発がん……本剤と他の抗がん薬や放射線療法を併用した人に,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があります。
(9)その他……
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた)
(1)使用してはいけない場合……重い骨髄機能抑制/感染症の合併/発熱があり感染症が疑われる人/本剤の成分またはポリソルベート80含有製剤に対する重いアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/間質性肺炎,肺線維症/肝機能障害/腎機能障害/浮腫(むくみ)のある人
(3)妊娠・避妊……妊娠する可能性のある人は原則として使用してはいけません(妊娠の維持,胎児の発育などに障害を与える可能性があります)。納得したうえで,やむを得ず使用するときは,本剤の使用中および最終使用後2カ月間は適切な方法で避妊してください。使用中に妊娠が確認された場合・疑われた場合はただちに中止します。男性の場合は,本剤使用中および最終使用後1カ月間はバリア法(コンドーム)を用いて避妊してください。
(4)外国での報告……(1)本剤の1回使用量を通常100mg/m2としている欧米では,浮腫(むくみ)の発現率・重篤度が高いとされています。浮腫は下肢からおこり,3kg以上の体重増加を伴う全身性のものになる場合があります。本剤を中止すると徐々に軽快します。(2)肝機能異常のある人が本剤を使用すると,グレード4の好中球減少,発熱を伴う好中球減少,感染症,重い血小板減少,重い口内炎,皮膚剥離を伴う皮膚症状などが認められており,治療関連死の危険性が増加すると警告されています。
(5)感染症……使用によって,感染症の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(6)性腺への影響……生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(7)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(8)二次発がん……本剤と他の抗がん薬や放射線療法を併用した人に,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があります。
(9)その他……
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた)
重大な副作用 解説
(1)骨髄機能抑制(白血球減少,好中球減少,血小板減少,汎血球減少など)。(2)ショック症状・アナフィラキシー(呼吸困難,気管支けいれん,血圧低下,胸部圧迫感,発疹など)。(3)黄疸,肝不全,肝機能障害。(4)急性腎障害などの重い腎障害。(5)間質性肺炎,肺線維症。(6)心不全。(7)播種性血管内凝固症候群(DIC)。(8)腸管穿孔(せんこう),胃腸出血,虚血性大腸炎,大腸炎(腹痛,吐血,下血,下痢など)。(9)腸閉塞。(10)急性呼吸窮迫症候群(呼吸障害など)。(11)急性膵炎。(12)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),多形紅斑などの水疱性・滲出性皮疹。(13)心タンポナーデ,肺水腫,緊急ドレナージを要する胸水,腹水などの重い浮腫・体液貯留。(14)心筋梗塞,静脈血栓塞栓症。(15)感染症(敗血症,肺炎など)。(16)意識障害などを伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)。(17)重い口内炎などの粘膜炎。(18)血管炎。(19)末梢神経障害。(20)四肢の脱力感などの末梢性運動障害。(21)Radiation Recall現象(放射線治療後に化学療法を行った場合,照射部位に皮膚障害が現れる現象)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
その他の副作用 解説
(1)おこることがある副作用……食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,腹痛,腹部膨満感,便秘,しゃっくり,舌炎,口内乾燥,口内炎,便潜血,胃・十二指腸潰瘍,食道炎/アレルギー症状(発赤,かゆみ,潮紅など)/脱毛,皮疹,色素沈着,爪疾患(爪剥離,変形,変色,爪下出血,爪下血腫,爪下膿瘍など),皮膚剥離,手足症候群,皮膚エリテマトーデス,強皮症様変化/しびれ感,頭痛,意識喪失,見当識障害,めまい,昏迷,不眠,傾眠,難聴,耳鳴り,味覚異常/羞明(しゅうめい),視力異常,視覚障害(閃光,光のちらつき,暗点),流涙,涙道閉塞,結膜炎,黄斑浮腫/筋肉痛,関節痛,筋力低下,脱力感,背部痛,けいれん/血尿,乏尿,頻尿/不整脈,動悸,頻脈/呼吸困難,咽頭炎,せき,血痰/全身倦怠感,発熱,むくみ,静脈炎,疼痛,胸痛,全身痛,熱感,腰痛,鼻出血,ほてり,脱水
(2)検査などでわかる副作用……タンパク尿,BUN・クレアチニン上昇,尿糖,カリウム・ナトリウム・塩素・カルシウムの異常/AST・ALT・AL-P・γ-GTP・LDH・総ビリルビン上昇/血圧低下・上昇/総タンパク・アルブミン・A/G比・CK異常
(2)検査などでわかる副作用……タンパク尿,BUN・クレアチニン上昇,尿糖,カリウム・ナトリウム・塩素・カルシウムの異常/AST・ALT・AL-P・γ-GTP・LDH・総ビリルビン上昇/血圧低下・上昇/総タンパク・アルブミン・A/G比・CK異常
併用してはいけない薬 解説
[パクリタキセル(アブラキサン点滴静注用を除く)]ジスルフィラム(断酒薬),シアナミド(断酒薬),プロカルバジン塩酸塩(プロカルバジン塩酸塩)→これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅,血圧降下,悪心,頻脈,めまい,呼吸困難,視力低下など)をおこすおそれがあります。
注意して併用すべき薬
海外評価 解説
プレグナンシー・カテゴリー 解説
- [ご利用上の注意]
- 薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。
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データ更新日:2024/10/15