お薬検索

いのれっと30あーるちゅう

イノレット30R注

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

在宅で管理する注射薬/糖尿病の薬

解説タイトル

糖尿病治療薬(1)(インスリン製剤)

一般名 解説

二相性イソフェンインスリン水性懸濁注射液(混合型)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 300単位 1キット 1,411.00円

製薬会社 解説

ノボ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

インスリン製剤

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

1日2回,朝食・夕食前30分以内に指示された単位を皮下注射(1日1回のときは朝食前)。

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

インスリン療法が適応となる糖尿病

解説 解説

糖尿病には,1型糖尿病と2型糖尿病の2つのタイプがあります。日本では糖尿病患者のおよそ95%が2型糖尿病といわれています。
1型糖尿病は,自己免疫により血液中のリンパ球が膵臓の中にあるランゲルハンス島の中のβ(ベータ)細胞(B細胞ともいいます)を破壊してしまい,結果として膵臓からのインスリンというホルモンの分泌がほとんどなくなる病気といわれています。2型糖尿病は,膵臓からのインスリン分泌の量が不足したり,その作用が十分に発揮されないためにおこります。
糖尿病の治療は,食事療法,運動療法,薬物療法を組み合わせて,血糖値のコントロールを行っていきます。薬物療法には,経口糖尿病薬を用いる内服療法と,インスリンを注射で補充するインスリン療法の2つの方法があります。
1型糖尿病は,「食事療法+運動療法+インスリン療法」です。2型糖尿病は,「食事療法+運動療法」を行い,血糖コントロールがうまくいかないときには「内服療法」をプラスします。それでも難しいときに「インスリン療法」が選択されます。内服薬については内服11-01「糖尿病の内服薬」をご覧ください。以下,インスリン療法についてみていきます。
・インスリン療法の概略
インスリン療法は下記のような場合に選択されます。
(1)内服薬をきちんと服用しても血糖コントロールがよくならない
(2)薬の副作用や相互作用のため,内服薬を服用できない
(3)著しい高血糖で,すぐにも血糖値を下げる必要がある
(4)手術の前後や感染症などの糖尿病以外の病気にかかったとき
(5)妊娠中(または妊娠希望時)・授乳中で食事療法でもよくならないとき
(6)重い肝機能障害や腎機能障害のとき
インスリン療法は,体内のインスリンの状態をできるかぎり健康な状態に近づけることを目的としています。医師は,各患者の病状や生活習慣を考えて適切なインスリン製剤を選びます。 最近では,薬や器具もよくなっていて注射時の痛みも和らぎ,操作も簡単になりました。血糖値の測定を自分で行い,血糖値の結果により定められた範囲内でインスリンの量を自分で調節して注射します。
・インスリン療法の種類
(1)強化インスリン療法……インスリンの分泌を健康な人と同じようにするために,1日に 3~4回インスリン注射をする方法です。これまでのインスリン療法に比べ,より正確に血糖コントロールができます。
(2)従来のインスリン療法……混合型インスリン製剤(後述)などを1日に1~2回注射する療法です。
・インスリン製剤の種類
インスリン製剤は,作用する時間から次の5種類に分類されています。
(1)超速効型インスリン製剤……注射後,数分~20分くらいで効果が発現。作用持続時間は短い(2~5時間)。
(2)速効型インスリン製剤……注射後,30分くらいで効果が発現。作用持続時間は約5~8時間。
(3)中間型インスリン製剤……注射後,1~3時間くらいで効果が発現。作用持続時間は約18~24時間。
(4)混合型インスリン製剤……超速効型・速効型・中間型インスリン製剤を混合したタイプ。効果はそれぞれの型の発現時間に現れ,作用持続時間は中間型とほぼ同じ約18~24時間。
(5)持効型溶解インスリンアナログ製剤……注射後,約1~2時間で効果が発現。作用持続時間は約24時間,安定した効果が続く。
・注射器の種類
ペン型とシリンジ型の 2種類があります。また,インスリン製剤は,剤形によってバイアル製剤,プレフィルド・キット製剤,カートリッジ製剤があります。
シリンジ型の注射器は普通の注射器と同じ形です。インスリン製剤を容器から注射器へ吸引して注射します。バイアル製剤に使用します。
ペン型は持ち運びに便利で,扱いも簡単,注入量も正確にできるなど,今では主流となっている注射器です。ペン型には,カートリッジタイプと使い捨てタイプの2種類があります。
(1) カートリッジタイプ……インスリン製剤の入ったカートリッジを,専用のペン型の注射器に装填(そうてん)するタイプです。カートリッジは,万年筆のインクをつけ替えるような感じで替えられます。専用の針で,インスリン製剤の注射する量を設定して,ボタンを押せば注射できます。カートリッジ製剤に使用します。
(2) 使い捨てタイプ……プラスチック製の注射器で,最初からインスリン製剤が内蔵されています。使い方はカートリッジタイプと同じで,内蔵されたインスリン製剤を使い切ったら本体ごと捨てます。プレフィルド・キット製剤に使用します。
・注射のしかた
注射は皮下に行います。注射部位は腹部,太もも,上腕,臀部が推奨されています。おなかに注射する場合は,おへそのすぐ近くは避けて,軟らかい皮下脂肪のあるところに注射するとよいです。毎回2~3cmの間隔をとりながら,場所を少しずらして注射します。同じところばかりに注射すると,皮膚アミロイドーシス(アミロイドと呼ばれる線維性の蛋白が皮膚組織などに沈着・蓄積)やリポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚など)が現れ,十分な血糖コントロールが得られなくなることがあります。
自己注射を行う場合は,事前に処方医から注射の方法をしっかりと学んでください。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

*ノボリン,ノボラピッド,レベミルなどの添付文書による

(1)使用してはいけない場合……低血糖症状を呈している人/本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……インスリン需要の変動が激しい状態のとき(手術,外傷,感染症,妊婦など)/低血糖をおこすおそれがある状態または患者(脳下垂体機能不全または副腎機能不全,下痢・嘔吐などの胃腸障害,飢餓状態,不規則な食事摂取,激しい筋肉運動,過度のアルコール摂取者)/重い腎機能障害/重い肝機能障害/高齢者
(3)妊婦,産婦,授乳婦……妊娠した場合や妊娠が予測される場合には医師に知らせてください。妊娠中,周産期,授乳期などにはインスリンの需要量が変化しやすいため,定期的に検査を行って投与量を調整することになります。
(4)危険作業に注意……低血糖症状をおこすことがあるので,高所作業,自動車の運転などの危険作業に従事している人が使用するときは十分に注意してください。

重大な副作用 解説

(1)低血糖(脱力感,倦怠感(けんたいかん),高度の空腹感,冷汗,顔面蒼白,動悸,振戦,頭痛,めまい,吐きけ,知覚異常,不安,興奮,神経過敏,集中力低下,精神障害,けいれん,意識混濁,昏睡(こんすい)など)。(2)アナフィラキシーショック(呼吸困難,血圧低下,頻脈,発汗,全身の発疹,血管神経性浮腫など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[ノボリン]
(1)使用を中止し,すぐに処方医へ連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,かゆみ,じん麻疹)
(2)おこることがある副作用……吐きけ,食欲不振/治療後神経障害(主に有痛性)/糖尿病網膜症の顕在化または増悪,屈折異常/注射部位→皮膚アミロイドーシス,疼痛,発赤,腫脹,硬結,リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚など),発疹/むくみ,発熱,抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良
(3)検査などでわかる副作用……血圧降下/肝機能障害

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)本剤の血糖降下作用を強める薬剤……糖尿病薬,モノアミン酸化酵素阻害薬(選択的MAO-B阻害薬)(モノアミン酸化酵素の働き),三環系抗うつ薬(三環系抗うつ薬),サリチル酸誘導体(アスピリン),シクロホスファミド(シクロホスファミド水和物),β遮断薬(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))(ベーター・ブロッカー(適応症が狭心症と高血圧のもの)),ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム),クロラムフェニコール(クロラムフェニコール),ベザフィブラート(フィブラート系薬剤),サルファ剤,シベンゾリンコハク酸塩(シベンゾリンコハク酸塩),ジソピラミド(ピリジンメタノール系抗不整脈薬),ピルメノール塩酸塩水和物(ピリジンメタノール系抗不整脈薬
(2)本剤の血糖降下作用を弱める薬剤……チアジド系利尿薬(チアジド系薬剤),副腎皮質ステロイド(副腎皮質ステロイド薬),テトラコサクチド酢酸塩,アドレナリン,グルカゴン,甲状腺ホルモン(甲状腺製剤),成長ホルモン,卵胞ホルモン(卵胞ホルモン),経口避妊薬(低用量ピル),ニコチン酸(その他のビタミンB群),濃グリセリン,イソニアジド(イソニアジド),ダナゾール(ダナゾール),フェニトイン(フェニトイン
(3)本剤の血糖降下作用を強めたり弱めたりする薬剤……蛋白同化ステロイド(蛋白同化ステロイド薬),オクトレオチド酢酸塩(オクトレオチド酢酸塩),ランレオチド酢酸塩

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/10/15