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いりのてかんえんさんえんてんてきじょうちゅうえき

イリノテカン塩酸塩点滴静注液

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/代謝拮抗薬

解説タイトル

イリノテカン塩酸塩

一般名 解説

イリノテカン塩酸塩水和物
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 40mg2mL 1瓶 1,221.00円
注射用剤 / 100mg5mL 1瓶 2,737.00円

製薬会社 解説

マイラン=日本化薬

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

トポイソメラーゼ阻害薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[イリノテカン塩酸塩水和物の適応症]小細胞肺がん,非小細胞肺がん,子宮頸がん,卵巣がん,胃がん・結腸がん・直腸がん・乳がん(手術不能または再発),有棘(ゆうきょく)細胞がん,悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫),小児悪性固形腫瘍,治癒切除不能な膵がん/[イリノテカン塩酸塩水和物(リポソーム型)の適応症]がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な膵がん

解説 解説

DNAトポイソメラーゼは,DNAの複製,転写,組み換えなどのあらゆるDNA代謝に関わる重要な酵素です。イリノテカン塩酸塩はトポイソメラーゼの働きを阻害することにより,がん細胞の代謝に拮抗します。イリノテカン塩酸塩注,ノギテカン塩酸塩注,エトポシド注・内服などは代謝拮抗薬に分類されますが,トポイソメラーゼ阻害薬という分類をつくることもあります。
オニバイドの適応症は,がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な膵がんのみです。イリノテカンをリポソーム(球形の小胞)に封入した製剤(リポソーム型イリノテカン製剤)で,腫瘍への集積の増加,腫瘍内での曝露期間の延長によって抗腫瘍活性がより強まるようにつくられています。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の臨床試験で骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例があります。本剤は緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な経験を持つ医師に有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
(2)本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は,小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで受けなければなりません。

基本的注意 解説

*イリノテカン塩酸塩水和物(トポテシン点滴静注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……骨髄機能抑制/感染症の合併/下痢(水様便)のある人/腸管麻痺・腸閉塞/間質性肺炎,肺線維症/多量の腹水・胸水のある人/黄疸/アタザナビル硫酸塩(エイズ治療薬(2))の使用中/本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に使用すべき場合……肝機能障害/腎機能障害/糖尿病/著しい全身衰弱/遺伝性果糖不耐症/高齢者,小児
(3)過敏反応……本剤の使用により,重い過敏反応が現れることがあります。呼吸困難,血圧低下などの過敏症状がみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。
(4)感染症・出血傾向など……本剤の使用により,出血傾向,重症感染症(敗血症,肺炎など),播種性血管内凝固症候群(DIC),腸管穿孔(せんこう),消化管出血,腸閉塞,腸炎,間質性肺炎の発現または悪化がおこりやすくなるので,十分に注意してください。
(5)飲食物……グレープフルーツジュース,セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は,本剤の作用に影響を与えるので,服用中は控えてください。
(6)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(7)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(8)避妊……妊娠可能な年齢の女性およびパートナーが妊娠する可能性のある男性は,使用期間中および使用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。本剤は,動物実験で催奇形作用,胎児致死作用,遺伝毒性が報告されています。
(9)その他……
・妊婦での安全性:使用しないことが望ましい。
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳を中止。
・低出生体重児,新生児,乳児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)汎血球減少,白血球減少,好中球減少,貧血,血小板減少,発熱性好中球減少症などの骨髄機能抑制。高度な骨髄機能抑制の持続による重症感染症(敗血症,肺炎など)・播種性血管内凝固症候群(DIC)の併発。(2)下痢,腸炎。高度な下痢の持続による脱水,電解質異常,ショック(循環不全)の併発。(3)消化管出血(下血,血便を含む),腸管麻痺,腸閉塞。腸管穿孔の併発。(4)間質性肺炎。(5)ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,血圧低下など)。(6)肝機能障害,黄疸。(7)急性腎障害。(8)肺塞栓症,静脈血栓症。(9)心筋梗塞,狭心症発作。(10)心室性期外収縮。(11)脳梗塞。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……アレルギー症状(発疹,かゆみ,じん麻疹)/悪心・嘔吐,食欲不振,腹痛,食道炎,吐血,腸管運動亢進,しゃっくり,腹部膨満感,口内炎,口唇炎,痔核,胃腸音異常,胃潰瘍,胃・腹部不快感,胃炎,消化不良,便秘/血尿,乏尿/呼吸困難,気管支炎,上気道炎,咽頭炎,鼻炎,発声障害,咽頭知覚不全,口腔咽頭不快感,咽頭痛,せき/脱毛,色素沈着,むくみ,発赤,紅斑,手足症候群,ざ瘡(にきび)様皮膚炎,皮膚乾燥,帯状疱疹,粘膜炎/しびれなどの末梢神経障害,頭痛,めまい,精神症状,意識障害,傾眠,興奮・不安感,不穏,けいれん,耳鳴り,味覚異常,うつ病,目のかすみ,不眠,ふるえ,構語障害/頻脈,動悸,不整脈,徐脈,心房細動/倦怠感,発熱,熱感,発汗,顔面潮紅,疼痛,腰痛,腹水,鼻汁,脱水,コリン作動性症候群,悪寒,胸部不快感,胸痛,関節痛,筋痛,鼻出血,脱力感,無力症,疲労,体重増加,体重減少,注射部位反応(発赤,疼痛など),血管炎,流涙
(2)検査などでわかる副作用……AST・ALT・AL-P・ビリルビン・γ-GTP上昇,LDH上昇・低下/腎機能障害(BUN・クレアチニン上昇など),クレアチニンクリアランス低下,電解質異常,タンパク尿,尿沈渣異常/PaO2低下/心電図異常,血圧低下,高血圧/好酸球増加,総タンパク減少,アルブミン減少,カルシウム異常,尿酸異常,尿ウロビリノーゲン異常,糖尿,白血球増加,血小板増加,白血球分画の変動,CRP上昇

併用してはいけない薬 解説

アタザナビル硫酸塩(エイズ治療薬(2))(レイアタッツ)→骨髄機能抑制,下痢などの副作用が強まるおそれがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると骨髄機能抑制,下痢などの副作用が強まるおそれがある薬剤・療法……深在性真菌治療薬(ケトコナゾール〔経口薬:国内未承認〕,フルコナゾール(深在性真菌治療薬),イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),ミコナゾール(カンジダ治療薬)など),マクロライド系抗生物質(マクロライド)(エリスロマイシン,クラリスロマイシンなど),リトナビル(エイズ治療薬(2)),ジルチアゼム塩酸塩(カルシウム拮抗薬),ニフェジピン(カルシウム拮抗薬),モザバプタン塩酸塩,ソラフェニブトシル酸塩(ソラフェニブトシル酸塩)など,ラパチニブトシル酸塩水和物(ラパチニブトシル酸塩水和物),レゴラフェニブ水和物(レゴラフェニブ)/他の抗がん薬/放射線照射
(2)本剤との併用で作用が弱まるおそれがある薬剤……末梢性筋弛緩薬
(3)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤……フェニトイン(フェニトイン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),リファンピシン(リファンピシン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体)など

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27