お薬検索

あなふらにーる

アナフラニール

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

精神神経科の薬/うつ病の薬

解説タイトル

三環系抗うつ薬

一般名 解説

クロミプラミン塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 10mg 1錠 9.60円
錠剤 / 25mg 1錠 14.60円

製薬会社 解説

アルフレッサ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

三環系抗うつ薬

規制 解説

使用量と回数 解説

うつ病・うつ状態:1日50~100mgを1~3回に分けて服用。1日最大225mg。遺尿症:6歳未満の幼児は1日10~25mg,6歳以上の学童は1日20~50mgを1~2回に分けて服用。ナルコレプシーに伴う情動脱力発作:1日10~75mgを1~3回に分けて服用。

識別コード 解説

10mg 本体コード:NF 326
25mg 本体コード:NF 327

その他 解説

保険収載年:1974/2

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

精神科領域におけるうつ病・うつ状態
[アミトリプチリン塩酸塩のみの適応症]夜尿症/末梢性神経障害性疼痛
[クロミプラミン塩酸塩のみの適応症]ナルコレプシーに伴う情動脱力発作
[イミプラミン塩酸塩,クロミプラミン塩酸塩のみの適応症]遺尿症

解説 解説

薬物の構造式上で,いわゆるベンゼン核が三つ連なったものを三環系抗うつ薬といいますが,自分が服用している薬の中にそれが入っていたら,「私はまじめすぎるんだなあ」と開き直るくらいの余裕がほしいと思います。
効果が発現するには1~3週間を要するので,効果を早急に期待しないようにしましょう。だからといって,処方医と相談なしに薬の服用をやめては勿論いけません。
三環系抗うつ薬は,遊離モノアミンの神経細胞内への再取り込みを阻害し,神経シナプス部にモノアミンを貯えて,受容体への持続的刺激を保つことにより,うつ状態を治すと考えられています。三環系抗うつ薬の中で,アミトリプチリン塩酸塩は夜尿症と末梢性神経障害性疼痛,イミプラミン塩酸塩とクロミプラミン塩酸塩は遺尿症,さらにクロミプラミン塩酸塩はナルコレプシーに伴う情動脱力発作にも使われます。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

*アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……閉塞隅角緑内障/三環系抗うつ薬に対するアレルギー/心筋梗塞の回復初期/尿閉(前立腺疾患など)/モノアミン酸化酵素阻害薬(モノアミン酸化酵素の働き)(セレギリン塩酸塩(選択的MAO-B阻害薬),ラサギリンメシル酸塩(選択的MAO-B阻害薬),サフィナミドメシル酸塩(選択的MAO-B阻害薬))の服用中あるいは服用中止後2週間以内
(2)慎重に服用すべき場合……排尿困難(前立腺疾患など)/開放隅角緑内障/眼内圧亢進/心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍,刺激伝導障害など)などの心疾患/甲状腺機能亢進症/てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの前歴/躁(そう)うつ病/脳の器質障害または統合失調症の素因のある人/衝動性が高い併存障害を有する人/自殺念慮または自殺企図の既往のある人,自殺念慮のある人/高齢者
(3)急な減量・中止……本剤の服用量を急激に減らしたり中止したりすると,吐きけ,頭痛,倦怠感,刺激を受けやすい,情動不安,睡眠障害などの離脱症状が現れることがあります。自己判断で減量や中止をしないでください。
(4)悪性症候群……本剤の服用によって悪性症候群がおこることがあります。無動緘黙(かんもく)〈緘黙=無言症〉,強度の筋強剛, 嚥下(えんげ)困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗などが発現し,引き続いて発熱がみられたら, 服用を中止して体を冷やす, 水分を補給するなどして,ただちに処方医へ連絡してください。高熱が続き, 意識障害, 呼吸困難, 循環虚脱, 脱水症状, 急性腎障害へと移行して死亡した例が報告されています。
(5)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品……一緒に摂取すると本剤の血中濃度が低くなり作用が弱まるおそれがあるので,本剤の服用中はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないでください。
(6)海外での臨床試験・疫学調査結果……抗うつ薬の服用で,24歳以下の患者で自殺念慮・自殺企図の発現リスクが上昇すると報告されています。また,50歳以上の患者で骨折のリスクが上昇すると報告されています。
(7)危険作業は中止……本剤を服用すると,眠け,注意力・集中力・反射運動能力などの低下がおこることがあります。服用中は,自動車の運転など危険を伴う機械の操作は行わないようにしてください。
(8)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:服用しないことが望ましい。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)悪性症候群。(2)セロトニン症候群(不安,焦燥,せん妄,興奮,発熱,発汗,頻脈,ふるえ,反射亢進,下痢など)。(3)低ナトリウム血症,けいれん,意識障害などを伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)。(4)食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘などから移行する麻痺性イレウス(腸閉塞)。(5)血液障害(無顆粒球症,汎血球減少,白血球減少など)
[アミトリプチリン塩酸塩,トリミプラミンマレイン酸塩,アモキサピンのみ](6)幻覚,せん妄,精神錯乱,けいれん。
[イミプラミン塩酸塩,クロミプラミン塩酸塩,ノルトリプチリン塩酸塩のみ](7)てんかん発作。
[イミプラミン塩酸塩,クロミプラミン塩酸塩,アモキサピンのみ](8)肝機能障害,黄疸。
[イミプラミン塩酸塩,クロミプラミン塩酸塩のみ](9)間質性肺炎, 好酸球性肺炎。(10)QT延長,心室頻拍。
[アミトリプチリン塩酸塩のみ](11)心筋梗塞。(12)顔や舌のむくみ。
[イミプラミン塩酸塩のみ](13)心不全。
[クロミプラミン塩酸塩のみ](14)横紋筋(おうもんきん)融解症(筋肉痛,脱力感など)。
[アモキサピンのみ](15)口周部などの不随意運動(遅発性ジスキネジア)。(16)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),急性汎発性発疹性膿疱症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,じん麻疹)
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……動悸,不整脈,心発作,心ブロック,頻脈/眠け,不眠,不安,口周部などの不随意運動(長期服用時),ふるえなどのパーキンソン症状,運動失調,四肢の知覚異常,焦燥,構音障害/黄疸/口渇,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,便秘,味覚異常/尿閉,排尿困難/体重増加,ふらつき,頭痛,めまい,倦怠感,発汗,視調節障害
(3)検査などでわかる副作用……血圧上昇,血圧低下/白血球減少/肝機能障害,AST・ALT上昇/眼内圧亢進

併用してはいけない薬 解説

パーキンソン病薬のモノアミン酸化酵素阻害薬(モノアミン酸化酵素の働き)(セレギリン塩酸塩(選択的MAO-B阻害薬),ラサギリンメシル酸塩(選択的MAO-B阻害薬),サフィナミドメシル酸塩(選択的MAO-B阻害薬))→本剤の代謝を阻害するなどして,発汗,不穏,全身けいれん,異常高熱,昏睡などが現れることがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の作用が強まることがある薬剤など……抗コリン作働薬(ブチルスコポラミン臭化物(鎮けい薬)など),バルプロ酸ナトリウム(バルプロ酸ナトリウム),選択的セロトニン再取り込み阻害薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)(フルボキサミン,パロキセチン),リトナビル(エイズ治療薬(2)),ホスアンプレナビル(エイズ治療薬(2)),バルビツール酸誘導体(バルビツール酸誘導体),抗不整脈薬(キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物),フレカイニド酢酸塩(フレカイニド酢酸塩),プロパフェノン塩酸塩(プロパフェノン塩酸塩)),シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬),フェノチアジン系製剤(フェノチアジン系薬剤)/アルコール
(2)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤など……スルファメトキサゾール・トリメトプリム(複合化学療法薬),カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェニトイン(フェニトイン
(3)本剤との併用で作用が強まることがある薬剤……アドレナリン作働薬(アドレナリン,ノルアドレナリン),血糖降下剤(インスリン,経口血糖降下剤),ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム
(4)本剤との併用で作用が弱まることがある薬剤……グアネチジン硫酸塩,硫酸ベタニジン,コリン作動薬(ピロカルピン塩酸塩)
(5)併用するとけいれん発作の危険性が増大することがある薬剤……トラマドール塩酸塩(がん疼痛治療薬(7)
(6)本剤との併用で消化管粘膜刺激が現れやすくなる薬剤……カリウム製剤(徐放性,腸溶剤)

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27