医療特集

花粉症

いまや国民病ともいわれる「花粉症」。患者数は増加傾向のようで、毎年多くの人が花粉症に悩まされています。

花粉症と関連するアレルギーについて

花粉症とは

吸入性アレルゲンによるI型アレルギー反応が関係し、くしゃみ、水性鼻漏(すいせいびろう)、鼻閉(びへい)を3主徴とする疾患を、鼻アレルギーあるいはアレルギー性鼻炎と呼んでいます。症状の好発時期により通年性と季節性に分けられます。

季節性の大部分は花粉が原因であり、花粉症と呼ばれています。スギ花粉症は今でこそ認知度が高いのですが、昭和30年代終盤に発見された比較的新しい疾患です。そして、その後、花粉症患者は増え続ける一方です。

【引用】 花粉症、鼻アレルギー(病気事典)

アレルギー性鼻炎について

抗原と抗体が鼻の粘膜で反応して、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりを起こすのがアレルギー性鼻炎です。

原因になる物質(抗原)にはいろいろな種類があり、主なものとしてはハウスダスト(ダニなどの家のほこり)、スギ花粉、イネ科花粉、ブタクサ花粉、真菌(カビ)、ペットとして飼っているイヌやネコの毛があります。

【引用】 アレルギー性鼻炎(病気事典)

アレルギーについて

アレルギーとは本来、体の外から入ってきた細菌やウイルスを防いだり、体のなかにできたがん細胞を排除するのに不可欠な免疫反応が、花粉、ダニ、ほこり、食べ物などに対して過剰に起こることをいいます。過剰な免疫反応の原因となる花粉などを、アレルゲンと呼びます。

アトピー性皮膚炎 気管支喘息 (きかんしぜんそく)、花粉症を含むアレルギー性鼻炎などが代表的なアレルギー疾患です。

【引用】 アレルギー(病気事典)

原因は何か

通年性アレルギー性鼻炎の原因としては、室内塵(しつないじん)(ハウスダスト)中のダニに対するアレルギーが多くなっています。一方、季節性アレルギー性鼻炎の原因アレルゲンでは、スギなどの花粉が圧倒的に多く、時に真菌(しんきん)の胞子などが関係している場合があります。

花粉が飛散する季節は地方により多少のずれはあるものの、その種類によってほぼ決まっています。たとえば、関東地方では、スギ花粉が1月~4月、ヒノキ花粉が5~6月、カモガヤ花粉が6~8月、ブタクサ花粉が8~9月、ヨモギ花粉が8~9月などです。

【引用】 花粉症、鼻アレルギー(病気事典)

症状の現れ方

主な症状は、くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉です。それ以外にも咽頭部や眼のかゆみや異物感、流涙、頭痛、皮膚炎のような症状などさまざまな症状を示します。これらの症状は、通年性・季節性アレルギー性鼻炎に共通の症状です。

【引用】 花粉症、鼻アレルギー(病気事典)

アレルギー性結膜炎の症状

アレルギー性結膜炎では、掻痒感(そうようかん)(かゆみ)が強く、結膜充血、浮腫(ふしゅ)、異物感、目やに(眼脂(がんし))、眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう)などがみられます。

角膜(かくまく)(黒眼)に軽い傷ができることもあります。角膜病変があれば、視力低下が起こります。コンタクトレンズ関連のアレルギーでは、レンズのくもりが起こります。

また、眼以外にくしゃみ、鼻水を伴うこともあります。症状は、花粉症のようにある季節にだけ起こることもあります。

【引用】 アレルギー性結膜炎(病気事典)

口腔アレルギー症候群の症状

シラカバ(カバノキ科、北海道などに多い)、オオヤシャブシ(カバノキ科、西日本に多い)、ブナ科(シラカバと同じブナ目、関東に多い)などによる花粉症の患者さんに多くみられます。これらの花粉症のある人が、とくに果物・野菜などを食べたあと、多くの場合は15分以内に、食べ物に直接接触した口唇や舌、咽頭がかゆくなったりはれたりします。じんま疹が出たり、目や鼻の花粉症のような症状や、吐き気、腹痛や下痢などの消化器症状が出ることもあります。

【引用】 口腔アレルギー症候群(病気事典)

治療の方法

通年性アレルギー性鼻炎であれば、局所ステロイド薬や抗ヒスタミン薬などの薬物療法がまずすすめられます。ダニと関係があれば除去目的で絨毯(じゅうたん)の除去や十分な清掃がすすめられます。ダニを主成分とする室内塵によるアレルゲン免疫療法(減感作療法)も有効です。

一方、花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎の場合には抗原除去は不可能ですが、外出時にマスクや眼鏡を使用すること、季節中は抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬を定期的に内服すること、そして点鼻ステロイド療法が有効です。

スギ花粉については、標準化されたアレルゲンが発売されており、唯一の根本的治療法としてアレルゲン免疫療法(減感作療法)が注目されています。アレルギー専門医に相談するとよいでしょう。

【引用】 花粉症、鼻アレルギー(病気事典)

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