病気事典[家庭の医学]
あたまをうった<おうきゅうてあて>
頭を打った<応急手当>
頭を打った<応急手当>について解説します。
執筆者:
筑波メディカルセンター病院救急診療科医長
上野幸廣
解説
意識・呼吸の状態、出血などに注意。出血と意識障害の両方がある場合で、血が傷口からピューピューと噴出している場合は、止血を優先し、それ以外では以下の方法を優先します
- 【1】意識、呼吸、出血の状態を観察。
- 呼びかけても、軽く肩をたたいたりつねっても、反応が乏しい
- 頭痛、吐き気・嘔吐、めまい、けいれんが激しい
- 目や鼻、口から血や水のような液が流れ出てくる
- 何度も同じことを繰り返し話したり、つじつまの合わないことを話す
- 頭部が陥没している
など、ひとつでもあれば、すぐに119番に通報する
- 吐いた物が見えたら、反応のある傷病者の場合は吐き出すように指示する。特別な異物の除去は行わない。横たわっている場合は、窒息しないように顔を横向きにする
- 【2】意識がない、または反応が非常に鈍くなってきたら、心肺蘇生法を救急車が来るまで続ける。 (救急車の呼び方)
- 【3】意識が明瞭なら、あわてずに上半身を高くして、様子を観察。
- 意識があっても、応答に多少なりとも奇妙な印象があれば、軽度の意識障害が疑われるので、脳神経外科をすぐに受診、または救急車を呼ぶ
- 耳や鼻から血や水のような液体が流れ出ている時は、物を詰めて止めようとせずに、流れている側を下向きにする
- 出血していれば、止血してすぐに近くの病院へ
- コブができているなら冷やす
- 事故当時はとくに症状がなくても、数時間して様子がおかしくなることがある。状態をよく観察し、症状があるようなら、脳神経外科をすぐに受診、または救急車を呼ぶ
※感染予防のため、血液には直接触れないように。できればゴム手袋やビニール手袋を使用する。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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