病気事典[家庭の医学]

きどうのかくほ、せいじょうなこきゅうのうむをかくにん

(2)気道の確保、(3)正常な呼吸の有無を確認

(2)気道の確保、(3)正常な呼吸の有無を確認について解説します。

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(2)気道の確保の手順

意識がないと筋肉の緊張がなくなり、図3のように舌のつけ根が落ち込んで気道が閉塞され、呼吸できなくなるため気道の確保を行います。いくつかの方法がありますが、一般の人には図4の頭部後屈あご先挙上法(とうぶこうくつあごさききょじょうほう)が推奨されています。

意識がなくても、気道を開放するだけで楽に呼吸できるようになる場合もあります。気道の確保は、心肺蘇生法の最も基本的な手技といえます。

図3 気道の閉塞

病気事典の図表 舌のつけ根が落ち込んで気道が閉塞(舌根沈下)。

(3)正常な呼吸の有無を確認する手順

気道を確保したら、10秒以内で正常な呼吸(普段どおりの息)の有無を見て・聞いて・感じて確認します。

  • 胸や腹部の上下の動きがみられるか
  • 息の音が聞こえるか
  • 息の出入りが感じられるか

これらがない時や、よくわからない時は、呼吸をしていない(無呼吸)と判断して、ただちに胸部圧迫を始めます。呼吸音が聞こえても、ゴロゴロとかヒューヒューという音の場合は気道の閉塞が疑われるので、さらにしっかりと気道の確保を行います。

意識はないが普通に呼吸している場合は、(1)意識の有無の観察 図2の回復体位をとらせて救急車の到着を待ちます。

図4 気道確保の方法~頭部後屈あご先挙上法

病気事典の図表
  1. (1)一方の手を前額部から前頭部にあてる(頭部後屈)。
  2. (2)もう一方の手の指を、下あご下面の先端(おとがい部)にあて、口が閉じる程度に持ち上げる。
  3. (3)呼吸の有無を確認する。
    • 胸や腹部の上下の動きがみられるか
    • 息の音が聞こえるか
    • 息の出入りが感じられるか

心肺蘇生法の基本的な手順

  1. (1)意識の有無の観察
  2. (2)気道の確保
  3. (3)正常な呼吸の有無を確認
  4. (4)胸骨圧迫
  5. (5)AEDの使用

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