病気事典[家庭の医学]
ほるもんのけんさ
ホルモンの検査
ホルモンの検査について解説します。
執筆者:
昭和大学医学部医学教育推進室教授
高木 康
医療機関で受ける血液一般検査をまとめました。基準値は、医療機関によって若干、異なることがあります。
検査項目と基準値一覧
検査項目 | 基準値 | 疑われる主な病気など |
---|---|---|
甲状腺ホルモン |
T4
:4〜12μg/dL
T3 :0.7〜2.1ng/dL FT4 :0.9〜1.9ng/dL FT3 :2.5〜4.5pg/mL TSH:0.3〜3.7μU/mL |
|
副甲状腺ホルモン | 9〜39pg/mL |
高値
→原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全、ビタミンD欠乏症
低値 →ビタミンD中毒症、がんに伴う高カルシウム血症、副甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症 |
インスリン | 8〜11μU/mL |
高値
→肝疾患、肥満、インスリン自己免疫疾患、クッシング症候群、インスリノーマ、インスリンレセプターの異常
低値 →(1型)糖尿病、飢餓、副腎不全、下垂体機能低下症 |
コルチゾール | 2.5〜15.5μg/dL |
高値
→クッシング症候群、下垂体腺腫、異所性ACTH産生腫瘍、妊娠末期、ストレス、腎不全
低値 →アジソン病、下垂体機能低下症、副腎クリーゼ |
カテコールアミン |
<血中>
アドレナリン:0.12ng/mL 以下 ノルアドレナリン:0.05〜0.40ng/mL ドーパミン :0.20ng/mL 以下 <尿中> アドレナリン:15μg/日以下 ノルアドレナリン:10〜150μg/日 ドーパミン :100〜700μg/日 |
高値
→褐色細胞腫、本態性高血圧
低値 →特発性起立性低血圧 |
レニン
(レニン–アンギオテンシン–アルドステロン系) |
0.5〜3.0ng/mL
/時
(早朝安静空腹臥位) |
高値
・ アルドステロンが低値 →アジソン病、21–水酸化酵素欠損症 ・ アルドステロンが高値 →腎血管性高血圧、レニン産生腫瘍、悪性高血圧、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、肝硬変 低値 ・ アルドステロンが低値 →循環血漿量の増大、甲状腺機能低下症 ・ アルドステロンが高値 →原発性アルドステロン症、原発性副腎過形成 |
エストロゲン
(女性ホルモン) |
<尿中排泄量>
男性:2〜20μg/日 女性 卵胞期:3〜20μg/日 排卵期:10〜60μg/日 黄体期:8〜50μg/日 閉経期:10μg/日以下 |
高値
→エストロゲン産生腫瘍、先天性副腎酵素欠損症
低値 →卵巣機能不全、黄体機能不全 |
プロゲステロン
(女性ホルモン) |
男性:0.4ng/mL
以下
女性 卵胞期:0.1〜1.5ng/mL 黄体期:2.5〜28.0ng/mL 黄体中期:5.7〜28.0ng/mL 閉経期:0.2ng/mL 以下 |
高値
→排卵誘発剤使用
低値 →卵巣機能不全、黄体機能不全 |
テストステロン
(男性ホルモン) |
男性:2.5〜10.5ng/mL
女性:0.9ng/mL 以下 |
<男性>
高値 →レイディッヒ細胞腫瘍、性早熟症 低値 →先天性無精子症、クラインフェルター症候群、停留睾丸 <女性> 高値 →男性化卵巣腫瘍、多嚢胞性卵巣症候群、男性化副腎腫瘍、特発性多毛症 低値 →間脳下垂体機能低下症、LH単独欠損症 |
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