病気事典[家庭の医学]

けつえきせいかがくけんさ(でんかいしつ)

血液生化学検査(電解質)

血液生化学検査(電解質)について解説します。

執筆者:

 医療機関で受ける血液一般検査をまとめました。基準値は、医療機関によって若干、異なることがあります。

検査項目と基準値一覧

検査項目 基準値 疑われる主な病気など
ナトリウム
(Na)
135〜145mEq/L
(イオン電極法)
高値 →発汗過多、熱傷、高度の下痢、尿崩症、食塩過剰摂取
低値 →腎不全、ネフローゼ症候群、うっ血性心不全、肝硬変、利尿薬の過剰内服、嘔吐、下痢
カリウム
(K)
3.5〜5.0mEq/L
(イオン電極法)
高値 →腎臓での排泄低下(腎不全、アジソン病など)、過剰摂取(食事、輸血、輸液、薬剤など)、細胞内からの移動(インスリン欠乏、降圧薬・ジギタリス薬の影響、アシドーシスなど)、その他(溶血、白血球増多、血小板増多など)
低値 →喪失(嘔吐、下痢、吸収不良症候群、利尿薬の影響、クッシング症候群など)、摂取不足(絶食、食欲低下など)
カルシウム
(Ca)
8.6〜11.0mg/dL
(OCPC法)
高値 →副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍(食道・卵巣・乳・胃など副甲状腺刺激ホルモン産生腫瘍)、骨へのがん転移、多発性骨髄腫、ビタミンD過剰
低値 →副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、くる病、慢性腎不全、栄養障害
マグネシウム
(Mg)
1.2〜4.8mg/dL 高値 →各種腎疾患、脱水、ケトアシドーシス、アジソン病、ビタミンDやリチウム投与
低値 →小腸切除手術後、慢性下痢、アルコール依存、各種薬物(ゲンタマイシン、カルベニシリン、アンホテリシンB、シスプラチン、シクロスポリンなど)
無機リン
(iP)
成人:2.5〜4.5mg/dL
小児:4.0〜7.0mg/dL
高値 →副甲状腺機能低下症、腎不全、甲状腺機能亢進症、横紋筋融解症、ビタミンD中毒
低値 →副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症、ファンコニー症候群、水酸化アルミニウムを含有する制酸薬(アルミゲル、アルサミン)、全身倦怠・脱力感

臨床検査の基礎知識を読んだ人によく読まれている記事

情報提供元 : (C)株式会社 法研 執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。