病気事典[家庭の医学]
もんてじあこっせつ
モンテジア骨折
モンテジア骨折について解説します。
執筆者:
国立成育医療センター第2専門診療部部長
高山真一郎
モンテジア骨折の解説(コラム)
尺骨(しゃっこつ)の近位3分の1の部位の骨折と橈骨頭(とうこつとう)の脱臼を伴う外傷を、モンテジア骨折といいます(図50)。小児に多く発生する外傷ですが、尺骨の骨折のみに目を奪われて、橈骨頭の脱臼が見逃されることも少なくありません。正しい側面X線を撮影しないと、橈骨頭の脱臼の判定は難しいので、注意を要します。
尺骨は、多少の変形が生じても問題なく癒合します。一方、橈骨頭の脱臼は自然に整復されることはなく、肘関節(ちゅうかんせつ)の変形、回内外可動域制限、疼痛などが残ります。
陳旧(ちんきゅう)(長い期間経過している)例になった場合、橈骨頭の変形が軽度で受傷後数年以内であれば、尺骨の骨切り術により橈骨頭の整復が可能です。しかし、長期間を経過して橈骨頭の変形がひどくなると、整復できずに橈骨頭の切除を行わざるをえません。
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