病気事典[家庭の医学]
まいくろあれい
マイクロアレイ
マイクロアレイについて解説します。
執筆者:
兵庫医科大学名誉教授・社会医療法人愛仁会高槻病院遺伝医療部門部門責任者
玉置知子
兵庫医科大学遺伝学助教
吉川良恵
マイクロアレイの解説(コラム)
ゲノムDNA全体や、発現される遺伝子(RNA)を、一度に網羅して解析する技術がマイクロアレイです。
ゲノムDNAの解析には、ゲノムの各部分に対応する短い1本鎖DNAを基盤の上に微細にスポットして作成し、その上から調べたいDNAに蛍光色素で色づけして加えます。調べたいDNAに相補的なDNA塩基配列(DNAは2本鎖のため相互の鎖がかみ合う構造をしている、その相手方のDNA)があると、スポットに結合して蛍光が検出され、ゲノムDNAの有無や量、多型の有無を検出することができます。ひとつのスポットのDNA断片は30〜50bp程度と短いのですが、多数の断片をスポットすることでゲノム全体をカバーします。
遺伝子発現の特性を調べる場合にも同様に、それぞれの遺伝子配列のスポットを基盤につくり、調べたいRNAを単独に、または比較対照となるRNAと混ぜてから基盤上の配列と結合させて蛍光によって発現量を検出します。いずれの解析も多量のデータを取り扱うための高性能のコンピュータと、参照するデータベースの整備が必要です。
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