病気事典[家庭の医学]
けっせつせいこうかしょう
結節性硬化症<遺伝的要因による疾患>
結節性硬化症<遺伝的要因による疾患>について解説します。
執筆者:
京都大学大学院医学研究科医療倫理学教授
小杉眞司
どんな病気か
出生前(心臓腫瘍(しんぞうしゅよう))から思春期以降(腎腫瘍(じんしゅよう)など)に至るまで、症状は広く分布しています。てんかん(80%)、点頭てんかん、知的障害(50%)、心臓横紋筋腫(しんぞうおうもんきんしゅ)(90%)、腎血管筋脂肪腫(じんけっかんきんしぼうしゅ)(60%)、星膠細胞腫(せいこうさいぼうしゅ)、網膜腫瘍(もうまくしゅよう)、顔面血管線維腫(90%)、爪下線維腫(そうかせんいしゅ)(50%)がみられます。また、白斑(90%)、腎嚢胞(じんのうほう)(20%)、高血圧、肺(はい)リンパ脈管筋腫症(みゃくかんきんしゅしょう)(女性の30%)もみられます。
日本人では6000~7000人に1人に起こる病気ですが、同一家系内でも症状に大きな差があります。家系内に同じ病気の人がいなくても、60~70%は突然発病します。
原因は何か
TSC1またはTSC2の遺伝子変異で、TSC1変異のほうが軽症になります。常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝形式で伝わります。
治療と管理方針
遺伝子変異が見つかった人、あるいは家系内でリスクが高いと考えられる人については、心臓腫瘍(心臓エコー)、脳内結節、腎腫瘍(腹部エコー)の検出と患者さんに対する経過観察が行われます。成人女性に対しては、肺リンパ脈管筋腫症(LAM)の検出目的で呼吸機能検査と胸部CTが行われます。予防的手術はありません。
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情報提供元 :
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