病気事典[家庭の医学]
ふぇるてぃしょうこうぐん
フェルティ症候群
フェルティ症候群について解説します。
執筆者:
横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学教授
横田俊平
フェルティ症候群の解説(コラム)
リウマトイド因子陽性の重篤な関節リウマチのなかには、長い期間かかって高度に関節破壊が進んだあとに、白血球数が減少し、脾臓がはれ、下肢(かし)に潰瘍(かいよう)が出現し、難治性再発性細菌感染症を起こすものがあり、これをフェルティ症候群と呼びます。頻度は、全関節リウマチ患者の1%弱とされています。
全体の約95%でリウマトイド因子が陽性、50〜100%で抗核抗体が陽性となります。約30%に末梢血液中に巨大顆粒をもった特殊なリンパ球(T‐LGL)が増加し、ある種の白血病との鑑別が重要になります。積極的な治療にもかかわらず、活動性の激しい関節炎が続き、白血球数とくに好中球(こうちゅうきゅう)数の減少が進んで感染症を繰り返します。
最近では、抗リウマチ薬(メトトレキサート、ヒドロオキシクロロキン、レフルノマイドなど)やコロニー刺激因子(G‐CSF)により、白血球減少に対処できるようになりました。また、これらの治療が効果を示さない場合には、リツキサン(抗CD20モノクローナル抗体)が有効であることが報告されています。
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