病気事典[家庭の医学]
じんじょうせいはくはん
尋常性白斑
尋常性白斑について解説します。
執筆者:
西神戸医療センター皮膚科部長 堀川達弥
原因は何か
皮膚の最外層にある表皮のなかに存在する、メラニン色素をつくる細胞(色素細胞)が消失するために、皮膚の色が抜けて白くなります。
色素細胞が消失する原因は明らかにされていませんが、色素細胞に対する自己抗体ができて色素細胞を攻撃するために消失するという説、神経の異常が原因であるという説、皮膚での活性酸素を除去する機能が低下して色素細胞が壊れるという説などがあります。
症状の現れ方
生後数年から数十年後に、皮膚の色が部分的に抜けて白くなります。白くなる部分は大小さまざまで、拡大したり、あるいは別の皮膚の部分でも色が抜けることがあります。頭部では、白斑になった部分に白髪ができることもあります。
体の左右どちらか片側にのみ症状が出るタイプ(分節型)、体の両側に出るタイプ(汎発型(はんぱつがた))、皮膚の一部分だけに出るタイプ(限局型)があります。
治療の方法
ステロイド薬、ビタミン
体の片側にのみ症状が出るタイプでは、表皮の移植手術が効果的です。また、セルフタニング剤を皮膚に塗ると3~4日間は皮膚を着色することができます。
病気に気づいたらどうする
皮膚科の医師に相談してください。根気よく治療をすることが大切です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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