病気事典[家庭の医学]

こうういるすやく

抗ウイルス薬

抗ウイルス薬について解説します。

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抗ウイルス薬の解説(コラム)

 ウイルスの感染、増殖を特異的に阻害する作用をもつ薬剤を、抗ウイルス薬と呼びます。

 ウイルスは、遺伝情報としてのDNAあるいはRNAのみを保有する粒子で、蛋白や核酸の合成に必要な材料はすべて感染した細胞に依存して増殖するため、抗ウイルス作用をもちながら毒性が少ない薬剤は、長い間ありませんでした。

 しかし、ウイルスの増殖過程の研究進展に伴って、1980年代に単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(VZV)に対して、有効かつ副作用がほとんどみられない本格的な抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)が使用可能になりました。

 その後、HSV、VZVに対する数種の抗ウイルス薬とともに、サイトメガロウイルス、エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどに有効な抗ウイルス薬が、次々と開発されています。

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