病気事典[家庭の医学]

こうくうかんじだしょう

口腔カンジダ症<皮膚の病気>

口腔カンジダ症<皮膚の病気>について解説します。

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どんな病気か

口腔内に生じたカンジダ感染症で、頻度は全皮膚粘膜カンジダ症患者の7%程度です。

原因は何か

成人では、常在菌として保菌していたカンジダの増加と形態変化で発病します。皮膚カンジダ症以上に全身的な要因が問題になります。感染しやすくなる基礎疾患をもつ患者さん、ステロイド薬や抗生剤を内服している患者さん、高齢者に多く、とくにHIV感染者では初期の症状として重要です。

一方、乳児に生じる鵞口瘡(がこうそう)は他の人(主に母親)からの感染とされています。全身的な問題はほとんどありません。

症状の現れ方

舌や頬などの口腔粘膜にはがれやすい白苔(はくたい)が付着し、はがすとその下は発赤・腫脹しています。舌の疼痛、違和感、味覚異常を伴うことがあります。高齢者では本人が自覚していないこともあり、乳児例でも多くは軽症です。口角に浸軟(しんなん)した鱗屑(りんせつ)やびらん(ただれ)を伴う発赤局面を示すこともあります(カンジダ性口角びらん症)。

検査と診断

直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行います。菌要素を比較的検出しやすい病気です。綿棒でこすり、それをスライドグラスに塗った検体でも菌を確認できます。

治療の方法

イトラコナゾール(イトリゾール)が有効です。本症に対しては、カプセルではなく直接塗る効果も期待できる内用液を用います。口のなかでなるべく長く含んだ後に飲み込んでください。

特殊な内服薬として、口腔・食道カンジダ症用で、ほとんど吸収されないミコナゾール(フロリード)ゲルがあります。1日1~2本を4回に分けて内服しますが、口腔カンジダ症では病変部に塗るだけでも有効です。

病気に気づいたらどうする

本症が味覚異常の原因になっていることもあり、また本人が自覚していないこともあるので、舌などの口腔内に違和感がある時は、真菌検査を受けることをすすめます。

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