病気事典[家庭の医学]

こうしょくいんせん

紅色陰癬

紅色陰癬について解説します。

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どんな病気か

大人の股や腋(わき)の下など皮膚が擦れやすいところにできやすい病気で、蛍光(けいこう)ジフテロイドという特殊な細菌による感染症です。

原因は何か

蛍光ジフテロイドは常在菌ですが、糖尿病・肥満・多汗症の患者さんに多くみられ、日和見(ひよりみ)感染(健康人には病気を起こさない菌が、抵抗力の弱い患者さんに感染症を起こす)と考えられています。

症状の現れ方

大人の股、腋の下、足の指の間、お乳の下、お尻の割れ目などにできやすく、軽い赤みのある褐色斑(かっしょくはん)で、少しかゆみがあり、糠状(ぬかじょう)・粉状の皮がついています(図53)。足趾の間では皮膚がふやけて白くなります。

検査と診断

ウッド灯(長波長の紫外線を出す蛍光管)で病変部を照らすと、サンゴのような赤色の蛍光を認めます。白癬(はくせん)、カンジダ症、癜風(でんぷう)、脂漏性(しろうせい)皮膚炎などとの区別が必要ですが、ウッド灯での赤色蛍光で区別できます。

治療の方法

一部の抗真菌薬、エリスロマイシン、あるいはテトラサイクリン薬の軟膏またはクリームを塗ります。範囲が広い場合には、エリスロマイシンあるいはテトラサイクリンを内服します。

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