病気事典[家庭の医学]
さるこいどーしす
サルコイドーシス<皮膚の病気>
サルコイドーシス<皮膚の病気>について解説します。
執筆者:
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学教授 宇谷厚志
症状の現れ方
数年の経過で、異なる臓器の症状が出ることもあり、病気の進行は一定ではありません。
皮膚サルコイドーシス
皮膚サルコイドーシスだけの場合もあります。日本では、結節型(大結節型、播種状(はしゅじょう)小結節型(苔癬様(たいせんよう)型を含む))、局面型、びまん浸潤(しんじゅん)型、皮下型の4つに分け、ほかに多くの特殊型があります。
結節型は、5㎜以上の赤色ないし黄色の結節が数個現れます。治ったあと、褐色の萎縮性(いしゅくせい)局面になります。丘疹(きゅうしん)型(小結節型)は、1~5㎜の半球状、黄褐色から赤褐色、紫色の丘疹が、数個から数百個、顔面から四肢伸側に生じ、くっつき合って、紅斑局面になります。
瘢痕浸潤(はんこんしんじゅん)
長期にわたってあった膝などの傷が、紫色に盛り上がります(ケロイド様)。
皮下型は四肢に持続する皮下結節で、圧痛(あっつう)のある時もあります。外傷後、局所サルコイド反応がみられます。脱毛は、サルコイドにより頭部や脛(すね)によく発生します。
結節性紅斑(こうはん)は若い女性に多く、初発症状のことがあります。
凍瘡様狼瘡(とうそうようろうそう)は、鼻、頬、耳、手、指に、青赤色から紫色の結節ないし局面が生じます。
検査と診断
肺病変:半数に呼吸器症状がみられ、半数は症状が残ります。実質内肉芽腫、線維化と両肺門部のリンパ節腫脹(BHL)がみられます。
心病変:心電図の異常、とくにブロックがみられます。
眼病変:ぶどう膜炎や網膜脈絡膜炎(もうまくみゃくらくまくえん)、結膜炎、視神経障害がみられます。
検査ではACE、リゾチーム、カルシウムの上昇、ツベルクリン陰性を示します。皮膚、その他の組織所見として、非乾酪性類上皮(ひかんらくせいるいじょうひ)細胞集団と封入体をもつ巨細胞、その周囲を少数のリンパ球が取り囲む像がみられます。
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会による診断の手引き(2006年)が参考になります。
病気に気づいたらどうする
皮膚科、内科、眼科を受診します。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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