病気事典[家庭の医学]
うぇーばー・くりすちゃんしょうこうぐん
ウェーバー・クリスチャン症候群
ウェーバー・クリスチャン症候群について解説します。
執筆者:
聖路加国際病院皮膚科部長 衛藤 光
どんな病気か
皮下脂肪組織の脂肪融解(ゆうかい)を伴う結節性紅斑(けっせつせいこうはん)(赤い硬いしこり)です。発熱など全身症状や内臓病変を伴います。発熱は40℃に達する上がり下がりの激しい弛張熱(しちょうねつ)です。結節性紅斑は多発性で下肢に初発し、経過により体幹や上肢にも現れます。
症状の現れ方
発熱が先行して痛みの強い結節性紅斑が下肢に多発します。結節は当初発赤を伴い強い疼痛がありますが、やがて軟化して、時に自潰(じかい)します。最終的には脂肪組織は萎縮し、陥凹(かんおう)を残して治癒します。病理組織学的には脂肪細胞の融解、壊死(えし)とそれに続発する脂肪肉芽腫(にくげしゅ)の形成が主体です。病期は急性炎症期、脂肪貪食(どんしょく)期、線維化期の3期に分かれます。
皮下結節のほか、内臓諸臓器の脂肪組織炎を伴うことがあります。肝臓では脂肪肝が多いことが知られています。全身倦怠感(けんたいかん)、肝障害、貧血などの症状を伴うことがあります。
検査と診断
診断は容易ではなく、皮膚生検による病理組織学的検査が必要です。一般炎症反応は高値となり、リパーゼ、アミラーゼ、トリプシンが高値となることもあります。結節性紅斑、膠原病(こうげんびょう)、リンパ腫、感染症などとの鑑別診断が必要です。
病気に気づいたらどうする
すぐに皮膚科専門医を受診してください。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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