病気事典[家庭の医学]
しょうせきのうほうしょう
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症について解説します。
執筆者:
滋賀医科大学医学部皮膚科学教授 田中俊宏
どんな病気か
手のひらや足の裏に無菌性の膿疱(うみをもった皮疹)が生じて慢性の経過をたどる病気です。完成像は、境界がはっきりした紅斑落屑(らくせつ)局面に多数の膿疱をもちます。ばい菌やウイルスがついていないのに、手のひらや足のうらに膿疱ができる病気と考えてください。
原因は何か
現在のところは不明です。欧米では、乾癬(かんせん)の一亜型とする考え方が有力です。
日本では乾癬とは無関係で、病巣感染や金属アレルギーを原因として重視する考え方もあります。
喫煙者に多い病気です。
症状の現れ方
手のひらや足の裏(とくに土踏まずの部分)に膿疱ができ、周囲に赤みをもつようになります。赤みはお互いにくっつき合って、手のひらや足の裏全体の皮がむけて赤くなる状態になり、そのなかに膿疱やかさぶたが見えるようになります。
検査と診断
専門医が見れば特徴的な臨床像から確定診断ができますが、真菌(しんきん)検査(水虫の検査)や、わかりにくい時は皮膚をとって顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を行うこともあります。
病気に気づいたらどうする
禁煙を心がけます。感染病巣の摘出という手段もあります。耳鼻科で扁桃(へんとう)誘発という試験をして、陽性ならば扁桃腺を摘出します。また、金属アレルギーの検査を行って、陽性であれば歯科金属の除去を考えることもあります。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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