病気事典[家庭の医学]
けっせつせいこうはん
結節性紅斑
結節性紅斑について解説します。
執筆者:
昭和大学藤が丘病院皮膚科教授
末木博彦
原因は何か
細菌、ウイルス、真菌などの感染アレルギーが主な原因と考えられています。そのほか、薬剤によるもの、内臓の悪性腫瘍、ベーチェット病、結核(けっかく)、サルコイドーシス、クローン病などに伴うものがあります。
症状の現れ方
若年から更年期の女性の下腿前面に好発します。圧痛、時に何もしなくても痛みを伴う直径1~5㎜の硬いしこりのある紅斑が多発します(図9)。重症の場合は太ももや腕にまで広がることがあります。しばしば発熱、全身の倦怠感(けんたいかん)、関節痛などの全身症状を伴います。通常、2~4週で消えますが、反復することがあります。
検査と診断
皮膚の生検(皮膚を数㎜切り取って調べる検査)を行い、皮下脂肪組織を中心とする炎症であることを確認します。病理組織学的な特徴から、バザン硬結性(こうけつせい)紅斑、結節性多発動脈炎(けっせつせいたはつどうみゃくえん)、スウィート病、深在性エリテマトーデス、ウェーバー・クリスチャン病などと区別します。血液検査では白血球の増加、赤沈やCRPなどの炎症反応の亢進がみられます。
治療の方法
ベッドで安静にしていることが最も重要です。薬物療法としては非ステロイド性消炎鎮痛薬やヨードカリの内服が一般的ですが、重症例では副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬の内服も行われます。基礎疾患がある場合はその治療が重要です。
病気に気づいたらどうする
類似の症状を示す病気が多数あるので皮膚科専門医を受診し、皮膚生検により確定診断を受けることをすすめます。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。