病気事典[家庭の医学]
ひふのびょうきのげんきょう
「皮膚の病気」の現況
「皮膚の病気」の現況について解説します。
執筆者:
京都大学大学院医学研究科皮膚科学教授 宮地良樹
解説(概論)
皮膚には実にいろいろな病気が起こります。また、皮膚は誰の目にも見えるため、早く気づきやすい反面、「見た目」がどうしても気になります。しかし、皮膚には体の不調を示す多彩なサインが出るので、見逃さずに対処することが大切です。
まず、皮膚の病気は大きく分けて、皮膚だけに起こる狭い意味での皮膚病と、全身疾患を反映した「内臓の鏡」としての皮膚表現(症状)の2つに分けることができます。皮膚の変化が、皮膚だけの変化なのか内臓からきている病変なのかを判断するためには高度の知識と経験が必要ですから、皮膚科専門医を受診する必要があります。
皮膚だけの変化でも、アレルギーであったり、感染症であったり、腫瘍(しゅよう)であったりして、その原因を突き止める作業には専門性が要求されます。皮膚がんであっても痛くもかゆくもないことはよくありますから、素人判断は禁物です。
皮膚は人体最大の臓器ですから、その皮膚全体に変化が起こると、発熱やむくみなどの全身症状が出ます。また、内臓の病変が皮膚に現れることもしばしばあります。幸い、皮膚は目に見えますから、毎日でも健康チェックが可能です。入浴後などに鏡を見て、何か皮膚に変化がないか気配りをしてください。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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