病気事典[家庭の医学]
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マルチプル・リスク・ファクター症候群とメタボリック症候群
マルチプル・リスク・ファクター症候群とメタボリック症候群について解説します。
執筆者:
埼玉医科大学名誉教授・同大学かわごえクリニック院長
片山茂裕
解説(概論)
前記のように、インスリン抵抗性がある人には、糖尿病・脂質異常症・高血圧・肥満などのいわゆる生活習慣病が重なりやすいことになります。すなわち、1人の患者さんが多数の心疾患の危険因子(リスク・ファクター)をもつことから、マルチプル・リスク・ファクター症候群とも呼ばれ、最近ではメタボリックシンドローム(代謝症候群)と呼ばれます(コラム)。
たとえば、糖尿病の患者さんでは、非糖尿病の患者さんに比べて脳血管障害や心疾患が2〜3倍の高頻度で発症します。糖尿病の患者さんの約50%には高血圧や脂質異常症が合併しますが、血圧や血清脂質濃度が正常の人に比べて、脳血管障害や心疾患の発症率はさらに2〜3倍高率になります。
このように、ひとつずつのリスクは小さくても、複数のリスクが合併すると、脳血管障害や心疾患の発症率は相乗的に増加することになります。
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