病気事典[家庭の医学]
かすいたいしゅようのえいきょう
下垂体腫瘍の影響
下垂体腫瘍の影響について解説します。
執筆者:
弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講師
蔭山和則
弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学教授
須田俊宏
下垂体腫瘍の影響の解説(コラム)
脳下垂体は、前葉(ぜんよう)と後葉(こうよう)に分けられ、下垂体前葉ホルモンには、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどがあります。
下垂体腫瘍がある種のホルモンを産生している場合は、その産生ホルモンのはたらきによる症状が出現します。しかし、ホルモンを産生していない場合や、男性のプロラクチン産生腫瘍などは腫瘍が大きくなってからでないとわからないことがあります。
腫瘍が大きくなると、腫瘍による視神経圧迫のため、視野障害(しやしょうがい)(両方の耳側の視野欠損が典型的)や頭痛を伴うことがあります。また、正常な下垂体を圧迫して、他のホルモン分泌を妨げます。単一のホルモンの分泌が障害される場合だけでなく、2つ以上が障害されることもあります。
さらに腫瘍が大きくなって視床下部(ししょうかぶ)が障害されると、尿崩症(にょうほうしょう)、食欲異常、体温異常が生じます。
内分泌系とビタミンの病気を読んだ人によく読まれている記事
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。