病気事典[家庭の医学]

びたみんしーけつぼうしょう(かいけつびょう)

ビタミンC欠乏症(壊血病)

ビタミンC欠乏症(壊血病)について解説します。

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原因は何か

水溶性ビタミンであるビタミンCは生体内の酸化還元反応に関係し、また、コラーゲンの生成や骨芽(こつが)細胞の増殖などさまざまな作用をもっています。

成人におけるビタミンCの適正摂取量は1日に100㎎とされています。日本人はもともとビタミンCの摂取量が多く欠乏症になりにくいのですが、妊娠や授乳時では必要量が増えます。また、生後6~12カ月の人工栄養の乳児に欠乏症(モラー・バーロー病)が起こりやすいので注意が必要です。

症状の現れ方

ビタミンCが欠乏すると毛細血管が脆弱(ぜいじゃく)となって、全身の皮下、歯肉、関節内に出血が起こりやすくなります。また、消化管や尿路から出血することもあります。一般症状として全身の倦怠感(けんたいかん)や関節痛が現れます。乳児のモラー・バーロー病ではとくに歯と骨の発育が悪く、骨折も起こしやすくなります。

治療の方法

乳児では1日100㎎を、成人では1日1000㎎を投与すると症状の改善が認められます。ただ、長期に投与すると尿路結石(にょうろけっせき)(シュウ酸カルシウム結石)が生じることがあり、注意が必要です。

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