病気事典[家庭の医学]
かんしつせいぼうこうえん
間質性膀胱炎
間質性膀胱炎について解説します。
執筆者:
順天堂大学医学部腎臓内科学准教授 大澤 勲
間質性膀胱炎の解説(コラム)
間質性膀胱炎は40歳以降の女性に多い病気で、膀胱内に尿が充満すると下腹部から陰部に痛みを生じます。尿意(尿をしたくなる感じ)や残尿感(尿が残っている感じ)は1日に何度も繰り返し、時として我慢ならないほど強くなり、仕事や睡眠に影響を及ぼすこともあります。コーヒー、紅茶、アルコール、たばこなどの刺激物は症状を悪化させます。
原因は解明されていませんが、膀胱の粘膜の異常やアレルギーが関係しています。初診時には、尿路感染症(にょうろかんせんしょう)(膀胱炎など)や尿路結石(にょうろけっせき)などを除外することが大切です。確定診断は膀胱内に膀胱鏡を挿入し、粘膜を観察したり、粘膜組織を採取することで行います。
確立された治療法はありませんが、内服治療では、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、抗コリン薬、鎮痛薬が使用されます。また、膀胱を水圧で拡張することや、膀胱内に抗炎症・筋弛緩(きんしかん)作用のあるDMSO(ジメチル・スルフォキシド)、粘膜修復作用のあるヘパリンなどを注入する方法が行われています。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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