病気事典[家庭の医学]
なっとくらっかーげんしょう
ナットクラッカー現象
ナットクラッカー現象について解説します。
執筆者:
東海大学医学部内科学系腎・内分泌・代謝内科学准教授 谷亀光則
ナットクラッカー現象の解説(コラム)
左の腎静脈が、腹部大動脈と上腸間膜(じょうちょうかんまく)動脈という2つの血管でできたV字の部分を通過するために強くはさまれてしまい、腎静脈内の血液がうっ滞を起こして、腎臓内に出血するものです(図8)。その部分に、クッションとしての脂肪組織が少ない場合に起こりやすいといわれています。
症状としては、肉眼的血尿がみられます。超音波、CT、MRIや三次元画像が得られるヘリカルCTなどの検査が有用です。ちなみにナットクラッカーとは「クルミ割り器」のことです。左の腎静脈が、ちょうどクルミのように2つの動脈に挟まれていることから、この名前がついています。解剖学的な特性から右側には生じません。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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