病気事典[家庭の医学]

じんぞうとにょうろのしくみとびょうき

腎臓と尿路の仕組みと病気

腎臓と尿路の仕組みと病気について解説します。

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腎臓(じんぞう)と尿路(にょうろ)の仕組みと病気

腎臓から尿道へ尿が排泄される道筋は尿路と呼ばれ、腎臓から尿管までの上部尿路と膀胱から尿道までの下部尿路の2つに分けて呼ばれることもあります(図1)。

腎臓は、そら豆形をした約120gの臓器で、胃や腸を包んでいる腹膜の後ろ側(後腹膜(こうふくまく))に位置しています。腎臓のまわりには、脂肪や結合組織があるだけで特別な支えがないので、やせた人では通常よりも下がってしまいます。これを腎下垂(じんかすい)といいます。

腎臓のなかには、糸球体(しきゅうたい)という毛細血管が糸玉のようになった組織とそれに続く尿細管という管があり、これを合わせて“ネフロン”と呼んでいます。腎臓のはたらきは、このネフロンが行っていますが、(1)血液中の不要産物や有害物質の除去、(2)血液の浸透圧・pHの調節、(3)細胞外液量・電解質の調節、(4)血圧の調節、(5)造血ホルモンの産生・分泌などを行っています。

尿管には、狭くなっているところが3カ所あるために、結石が詰まりやすくなっています。食習慣の変化とも関連して、上部尿路の腎結石(じんけっせき)や尿管結石(にょうかんけっせき)が多くなっています。

すべての病気に当てはまるのですが、病気は大きく、(1)奇形・外傷、(2)感染・炎症、(3)変性・代謝、(4)腫瘍(良性、悪性)の範疇(はんちゅう)に分けられます。本章では、上部尿路と下部尿路におけるこの4つの範疇から、臨床診療でみられる頻度の高い病気を取り上げました。

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