病気事典[家庭の医学]
かんこうへんのすくりーにんぐせいど
肝硬変のスクリーニング精度
肝硬変のスクリーニング精度について解説します。
執筆者:
公立阿伎留医療センター院長/日本大学名誉教授
荒川泰行
肝硬変のスクリーニング精度の解説(コラム)
肝がんの前がん病変である肝硬変を通常の肝機能検査項目によって効率よく発見するために、(1)ALT(GPT)値が35を超える、(2)血小板数が12・5万/μL未満、(3)アルブミン値が3・5g/dL未満の3項目を用いると、感度・特異度(偽陽性率)ともに従来の方法(AST、ALT、γ(ガンマ)‐GTPを用いる)より優れているため、有用性が高いと考えられています。
しかし、肝硬変の重症度に分類して比較すると、中等度と重度の肝硬変(チャイルド分類のBとC)はこの基準で100%拾えますが、軽度の肝硬変(チャイルド分類のA)はこれから脱落する例が10・5%存在します。
この脱落例を見逃さないために、HCV抗体とHBs抗原の肝炎ウイルスマーカーを追加すると、超高危険群のスクリーニングの精度をいっそう向上させることができます。
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情報提供元 :
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