病気事典[家庭の医学]

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C型肝炎ウイルス(HCV)検査と測定法

C型肝炎ウイルス(HCV)検査と測定法について解説します。

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C型肝炎ウイルス(HCV)検査と測定法の解説(コラム)

 C型肝炎ウイルス(HCV)の存在を確かめるウイルスマーカー検査では、最初にHCV抗体検査を行います。HCVに感染すると免疫のはたらきでHCV抗体が作られるため、陽性の場合は感染の可能性が高いとされます。

 陽性の場合で値が高い(抗体の量が多い)場合は、現在感染していると判断されますが、値が中程度や低い場合は、過去に感染し、自然治癒した可能性があります。そこで、ウイルスの存在を確認するためにHCV RNA(リボ核酸)検査が必要になります。

 なお、ウイルス感染が確定した場合は、HCVの血清型(セロタイプ)、遺伝子型(ジェノタイプ)の検査を行います。日本におけるHCVは、血清型によって、1型、2型に分けられ、さらに遺伝子型によって、1型は1a、1b、2型は2a、2bに分けられます。日本で最も多いのは1b型で全体の70%を占めており、残りは2a型と2b型がほとんどです。

 遺伝子型によりインターフェロン(IFN)の治療効果に差があることが明らかになっており、この判定は治療方針の決定に役立ちます。HCV1型(1b)は2型(2a、2b)よりIFN治療に抵抗性をもっています。HCV RNA量や遺伝子型の検査は、治療法の選択および治療効果の予測に用いられるため、重要な検査となります。HCVの量が少なく、IFNが効きやすいHCV型、遺伝子変異であれば、抗ウイルス療法の治療効果が期待できます。

 ウイルス量の測定はHCVコア抗原測定法が簡便ですが、2007年末からリアルタイムPCR法という新しいウイルス遺伝子検査が導入され、ウイルスの存在とその量が、さらに詳しくわかるようになりました。

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