病気事典[家庭の医学]
はぎしり
歯ぎしり
歯ぎしりについて解説します。
執筆者:
東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター教授
荒木孝二
歯ぎしりの解説(コラム)
歯ぎしりとは、口のなかに食物のない状態で下のあごを前後左右に動かし、上下の歯を強くこすり合わせる習癖で、睡眠中にきりきりと音をたてる症状がよく知られています。歯ぎしりの習癖をもつ人の多くは、歯に咬耗(こうもう)と呼ばれる特徴的なすり減った跡がみられます。
歯ぎしりの原因はまだ十分に明らかにされていないのですが、とくに早期接触と呼ばれる噛み合わせの不良に、ストレスなどの精神的因子が重なった場合によく発生するといわれています。
歯ぎしりによりあごや頭の筋肉を酷使するため、肩こり、あごの痛み、あごのだるさ、目の奥の痛み、偏頭痛(へんずつう)が起きます。また、あごの関節に負担がかかることによって顎関節症(がくかんせつしょう)を引き起こすことがあります。時には歯が折れることもあります。また、歯周病が悪化する原因にもなります。
歯ぎしりの治療法としては、原因となる早期接触の除去など噛み合わせの調整、ナイトガードと呼ばれるマウスピースの装着のほか、精神的ストレスの緩和、自己暗示療法などがあげられます。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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