病気事典[家庭の医学]

はのこうぞう

歯の構造

歯の構造について解説します。

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解説(概論)

歯は歯冠(しかん)(口のなかで見える部分)と歯根(しこん)(歯肉におおわれて見えない部分)とに分けられます。歯冠は、表面が無色半透明で非常に硬いエナメル質でおおわれ、その内側にはやや黄色みをおびた象牙質(ぞうげしつ)があります。その内側は歯髄(しずい)と呼ばれ、血管や神経線維(しんけいせんい)が走っています。歯根は表面がセメント質でおおわれ、その内側には歯冠と同じように象牙質と歯髄があります。歯をしっかりと支えているのは、歯肉、歯根膜、歯槽骨(しそうこつ)といった歯周組織(ししゅうそしき)です(図1)。

乳歯の前歯には乳中切歯(にゅうちゅうせつし)、乳側切歯(にゅうそくせつし)、乳犬歯(にゅうけんし)があり、奥歯には第一乳臼歯(きゅうし)、第二乳臼歯があります(図2)。生後8カ月ころになると、下顎の乳中切歯が生え始め、2〜3歳までに20本の乳歯が生えそろいます。永久歯の前歯には中切歯、側切歯、犬歯があり、奥歯には第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯(親知らず)があります(図3)。6歳ころになると、第二乳臼歯の奥にまず第一大臼歯が生え、第三大臼歯を除く28本の永久歯が13歳ころまでにすべて生えそろいます。

乳歯から永久歯への生え代わりは、永久歯が下から生え出てくるにつれて乳歯の歯根が少しずつ吸収されて自然に行われます。なお、乳歯でも永久歯でも歯の生えてくる時期や順序には個人差が大きいので、前述したものと多少異なっていても、心配する必要はありません。

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